訪問と再会
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それから一週間が過ぎた
「さて、じゃあリン君、行こうか」
「ああ……」
菊岡がアポイントを取り付け、俺と菊岡は鈴木家の家の前にいる
俺の名前は出さず、同行者が一人だけいるということだけ伝えているらしい
俺は門前払いされても困るので、スーツに鍔の広い帽子を被り、顔を隠している
「どちら様でしょうか?」
「アポイントを取っていた菊岡という者です。こちらは私のアシスタントとして同行してくれた桐ケ谷君です」
鈴木を出すのはマズイと思うが、よりによって桐ケ谷かよ……と言葉には出さないものの、帽子の影で顔をしかめていると俺達の応対をしていたお手伝いが、確認を取って戻ってきた
「確認が取れました。どうぞ、こちらへ」
「どうも」
お手伝いの先導で応接間まで通される
元々住んでいた家だけになんだか不思議な心持ちになりつつも、前を歩く菊岡の後ろをついていく
「……来たか、政府の狗め」
「お初にお目にかかります。仮想課の菊岡誠次郎といいます」
高圧的に放たれた暴言を表情一つ変えずに名刺を差し出す菊岡の姿は場慣れを感じさせた
その姿にうちの父親は鼻をフンと鳴らすとソファーをすすめる
「それで、何の用だ?出資の話なら断ったはすだぞ」
「らしいですね。まあ、それは上の思惑であって、私たちが来た理由ではありません」
「煩わしい。単刀直入に言いたまえ」
菊岡がこちらに目配せをしてきたので、帽子を脱ぎ捨て、素顔を晒した
「……り……なにしにきた?」
一瞬驚きの顔になり、俺の名前を呼ぼうとしたが、すぐに不機嫌な顔に戻りぶっきらぼうに言い放った
「強いていうなら、ここに来ることが目的だ」
「どういう意味だ?」
「別に言う必要はないだろ」
なにやら好奇心をくすぐられたらしく、不機嫌な態度を変えてはいないが、こちらの言を聞く体勢に入っていたが、言う必要はない。そう思っていたのだが
「とある少女の命を救うためですよ」
「余計なことを……」
「相変わらず貴様というやつは……」
相変わらず俺の父親は悪い意味で変わりがない
「まあまあ、彼がお節介焼きなのは今に始まったことではないでしょう。ここは一つ、仲直りしてみては?」
「これは私たち親子の問題だ。政府の狗が口を挟むな!」
「あ、そうそう、親子で思い出しましたが戸籍上の親子関係はなぜ切られてないんですか?」
「ぐっ、それはだな……」
言葉につまる。菊岡もわざと忘れた振りをして、人が悪い
しかも揚げ足を取って答えざるを得ない状況に持って行った
「……菊岡さん。少し席を外してくれ」
「扉の前で立っていればい
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