第15話 今度は黒き死神が相手だそうですよ?
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事に因りハクの下段から払われた一閃を完全に封じて仕舞う黒き死に神。
しかし、その刹那!
完全に一閃を封じられたかに見えた瞬間、ハクの手の中に確かに存在していたはずの蒼白き光輝を放つ霊刀の姿が消える。
そしてそのまま黒き死に神の目の前で、軽やかな舞いを舞うかのように優雅に一回転。
片や、完全に一刀を防御したかに思えた瞬間、受け止めるはずで有った必殺の威力の籠められた霊刀が消えた事に因り僅かな隙を作り出す黒き死に神。
そして――――
回転した瞬間、ハクの手の中に再び現れる光輝!
下段横薙ぎの一閃が、黒き死に神の左わき腹から右脇にまで蒼い光の線を作り出した!
「やった!」
何故、ハクの手にする霊刀が現われたり、消えたりするのかその原理は判りませんが、それでも、今はそれのもたらせる結果だけが判れば十分。そして、ハクの放った一刀は美月の見る限り間違いなく黒き死に神を捉えて居ます。
剣術に関しては門外漢の美月から見ても、あの位置関係。死に神の鎌の攻撃範囲としてはあまりにも近く、ハクの手にする霊刀としては効果的な一刀を放つ事の出来る位置関係から放たれた一閃は、必殺の一刀と成るのは確実。
時間にすると一瞬の交錯の後、離れる黒き死に神とハク。
そして、精霊の加護を得、神の領域の戦いを見つめる事の出来るようになった美月が、瞬きを一度行う間に元の位置に戻る両者。
黒き死に神はハクに斬り裂かれた腹部から黒い……。その黒き死に神に相応しい体液が止めどなく流れ出し、
対するハクの方は……。
「ハクちゃん?」
その瞬間、美月から驚きの声が上げられた。
そう。美月の見ている目の前で頭から黒い血液を浴びたハクが、片膝を付いて肩で息を吐いているのが判ったのだ。
先ほどの交錯の際に、彼女が黒き死に神からの攻撃を受けたようには、美月には見えなかったのだが……。
「あいつは龍。特にあいつは昔から穢れに極端に弱い」
まるで美月に説明するかのように、破壊神の少女シノブがそう言った。
確かに周囲に漂う腐臭は、ハクが黒き破壊神を斬り裂いた瞬間、更にその臭気を増したように感じた。
まして、あれはすべての生命を否定する存在。
つまり、あの黒き死に神は、死の穢れを体現したと言うべき存在。
美月が膝を付いたハクに近寄ろうとするその前に、瞬時に接近して来ていた黒き死に神が、その身に相応しい刃を振り上げ……。
無造作に振り降ろした。
しかし!
次の瞬間、宙を舞う死に神の鎌と、それを握る黒き右腕。
そして再び黒き液体をばら撒きながら、後方に飛び退く黒き死に神。
そう。死に神の鎌に因り、一人の少女の生命が今まさに刈り取られようとしたその
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