第六十八話 一つの裏切り
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「チッ、コーディネーター風情が!」
ロッソイージスに乗るエミリオはザフトの敵部隊に苦戦を強いられていた。巡航形態に変形すればエミリオのロッソイージスが三機の中で最も速い機体であっても、直線軌道では狙いを取られてしまう。なら純粋にMS状態での加速力が高いG‐Vとライゴウに任せた方が最善だと判断し、エミリオはより敵の注意を引く為に派手に攻撃を仕掛けていた。
『こいつでどうだッ!』
「この程度で!」
黒いザク――――ディアッカの乗るガナーザクファントムがハンドグレネードを投げつけ、その衝撃で隙を見せたロッソイージスを狙い銃撃が放たれるが、シールドでガードし、何とか敵の攻撃を退ける。
『グゥレイト、貰ったぜ!』
シールドで防いだことによって動きを止めたロッソイージスを狙い、ディアッカはオルトロスを構え、一撃を放つ。しかし、エミリオはすぐさまロッソイージスを正面に向け、同様に収束ビーム砲を構えて放った。お互いに放たれたビームが衝突しあい、衝撃が巻き起こる。
『マジかよ、あのタイミングで反応しやがった!』
「コーディネーターは一人残らず殺す!」
エミリオも頭のスイッチを入れ替える。現状、突破は困難。ならば任務よりもコーディネーターを殲滅させることを優先する。そう判断してビームサーベルを手足四本に展開し、ディアッカのザクに斬りかかっていった。
◇
「いい加減――――しつこいんだよ!」
G‐Vで戦場を駆けていたアウルも流石に敵の多さに辟易しながら戦闘を続ける。今はインコムとミサイルによって迎撃が追い付いているものの、実弾であるミサイルやエネルギーの充電が必要なインコムの稼働時間に限界が来れば、多数の敵に囲まれているこの状況は不味いだろう。
『ガンバレルシステムか……動きを止めるな!相手に狙い撃ちにされるぞ!』
G‐Vから展開されるインコムをザフトの部隊はガンバレルと同様のシステムだと認識して対応する。事実、OSなどの関係上でマニュアルかセミオートかの違いでしかない為、あながち間違いというわけではないが、その認識の誤差はインコムの特性上、危険な差となる。
『この位置からなら!』
「ハッ、貰ったァ!」
一機のグフが複雑に移動したインコムと機体自体の位置関係から攻撃するために移動させればワイヤーが絡みついて、すぐに攻撃できないと判断し、突撃を仕掛けた。しかし、インコムは巻き上げ式の中継点を用意することで移動のタイムラグや複雑な動きをせずに機体に戻すことが出来る。結果、インコムは一瞬でグフを射程に収め、ビームが貫いた。
こうした一戦ごとの戦績を見ればアウルは十分にエース級の実力を誇っていると言ってもいい。だが、やはり数の違いが戦力の決定的な差として如実に表れる。ミ
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