第六十八話 一つの裏切り
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銃を引き抜いた。撃ってきたことが誤解であることを願いつつも、事実確認の為に先程聞こえた声、ダナ・スニップ中尉に向かって声を掛ける。
「どういうつもりねぇ?ま、後始末って所だな。まさか本当に突破してくれるとは思ってなかったぜ。おかげでこっちの仕事が増えちまったじゃねえか」
「仕事だと?」
撃ってきたことを誤解だという事もなく、彼はそのまま話を続ける。
「そ、連合の残存戦力であり、独断行動に走ったファントムペインはコロニーレーザー奪還の為に攻撃を開始する。一度は奪還に成功したものの、一部の兵が暴走しプラントを直接狙えないことから中立都市コペルニクスに砲撃を行う。結果、ファントムペインは現時点でロゴスに次いだ最大級の大悪党って事になる。
その後はファントムペインをコロニーレーザーごとザフトが破壊。そうして月にはまともな都市としての機能を持つものはなくなり、宇宙圏は完全にプラント側の手に渡る。最初からそういう筋書きだったんだよ」
「つまり、お前はザフトと裏で繋がっていたってわけか……?」
あまりの内容に驚愕するネオだが、冷静に状況は把握していた。まともに返答したネオにダナは驚いたのか口笛を吹きながらネオを称賛する。
「驚いたぜ、ネオの旦那。まさか状況をあっさり理解して受け止めてくれるなんてな。まあそういう事だ。正確にはプラントの上層部とだけどな。あ、一応言っておくが俺はナチュラルだぜ?」
「上層部……デュランダルか。ならここまで来れたのも納得だな。ネロブリッツの識別はザフトのものになってるって事だろ?」
いくらミラージュコロイドが展開されているとはいえ敵と戦闘をせずに突破など出来るはずもない。おそらくは味方識別信号をデュランダルあたりから受け取り、それを使う事でミラージュコロイドを展開したままここに来たのだろう。苦労してここまできたネオにとっては苛立たしい話だ。
「旦那、あんたマジで超能力者か何かなわけ?これだけで全部理解できるなんて思ってなかったぜ」
「大方、好みの状況を用意してくれるとでも誘われたんだろ。馬鹿な真似は止めろ!利用されるだけだぞ!」
ネオはデュランダル議長が胡散臭い人物だと映像越しからでも直感的なもので感じ取っていた。ダナに今からでも遅くはないと警告するが当然ダナはその言葉を受け入れることはない。
「利用される?してくれても構わねえさ。その分俺も利用させてもらうからな」
「あれに讒言の類が通用すると思ってるのか!」
デュランダルは利用していると思わせて逆に利用している側の人間だ。おそらくは自身が利用されていることに気付くことすらないままに最後を迎える事になる。
「どっちにしてももう遅いさ。アンタが使ったデータウイルスはもうす
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