新入生歓迎会
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きた。すると、店の前で手を振っている人達がいる。先輩達だ。
「お久しぶりです、結城先輩」
「先にごめんね、みんなもうたべてるよ」
「大丈夫です。すぐ行きます。」
結城日和先輩は私たちが部活を一緒にやったことのある唯一の先輩だ。二学年上なので、私たちが一年生のとき三年生、受験もあるので夏までしか一緒に活動できなかったが、私達二年生にとってはとても印象深い先輩である。
結城先輩以外にも男子が二人と女子が一人いる。今日も来てくださる、と結城先輩からメールできいていた。
中に入るともんじゃ焼きとお好み焼きのいい匂いがした。
それぞれ学年もばらばらで席に座る。折角いろいろな学年の先輩に会える機会なので、学年別には座らないようにしよう、という先輩方の配慮だった。
とりあえず私は黒瀬くんと一年生、そして結城先輩の席に座った。
とりあえずメニューを頼んでしまうと話が始まった。
「どうして体操部にはいったの?」
「昔やっていたので」と言ったのは溝口さん「経験者なんだ、それは有利だね」
「新歓にひかれて」と言ったのは伊藤さん。「やってればすぐにできるようになるよ」「本当ですか?」「ちゃんと練習すればね」といって結城先輩は笑った。
簡単に謂うが結城先輩は経験者、その上本当に体操が上手い。先輩のようにはいかないよ、と私はこっそり二人に釘をさす。
もんじゃ焼きのもとも運ばれてきて、全員で焼き始める。そうすると食べることに忙しくなって話すどころではなくなってしまった。
この宿り木は安い分、焼くのはセルフサービスだ。食べるのと焼くのに忙しくて、話す暇などなかった。
みんな大体食べ終わってしまうと、またみんなで話始めた。
ここで必ずでる話は恋バナ、というやつだ。
みんなかならず先輩に恋人がいるかどうかを聞きたがる。まあ、私達も去年先輩に聞いたりしたのでなんとも言えないのだが…
「黒瀬先輩って彼女いるんですか…?」
「…う、うん、まぁ…」
「やっぱり!!先輩かっこいいですもんね、いいなー…どんな人ですか!?というか、誰ですか!?」
もう、1年生たちは本当に楽しそうだ。黒瀬くんはたじたじだ。
「まあまあそこはね…」
「莉子でしょ?東、E組の」
「なっ…」してやったりだ。黒瀬くんの焦る顔はみているとなんだか楽しくなってしまうのだ。
「そういう和泉さんだってさ、いるじゃん彼氏」
「まあ、そういうことにはなってるけど、君たちみたいにいちゃついたりしてないし、ほとんど会ってないし」
「意外とやるな、お主も」
気がつけば黒瀬くんは酔っ払った先輩たちに絡まれていた。彼女がいると言う話は先輩たちにさらに勢いをつけさせてしまったようだ。そして、黒瀬くんは先輩たちに攫われていった。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ