第13話:身内の事なんだから、重い腰上げろよ!
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(ドワーフの洞窟)
「エルフのお嬢さんが来たと言う事は……やはり孫の事ですかな? ザイルがしでかした例の事件ですかな?」
俺の目の前に居るアメリカ映画に出てくるバイカーギャングのボスみたいな、厳つい老人が問いかけてくる。
ドワーフだから背は低いのだが、その体付きが凄い。筋肉モッリモリ……
「はい。貴方のお孫さんが事件に関わってると噂を聞いたので、その調査に伺いました。事実でしょうか? もし事実なら、何故そのような事に……」
老人の見た目にビビッちゃってる俺の代わりに、ベラが礼儀正しく話しかける。
どうして俺の時は、こんな風に礼儀正しく話しかけてくれなかったんだろう?
「儂の孫が……ザイルが関わってるのは事実です。理由は妖精の村の村長への恨み……いや、逆恨みからです」
「さ、逆恨みとはどういう事ですか!?」
俺……原作の時から思ってたんだよね。
この爺さんがザイルにちゃんと説明しとけば、こんなアホ現象は起きなかったと……
礼儀正しいベラに、丁寧に経緯を話す爺さんを眺めながら、今回の事件がめんどくさく感じだしてる俺ちゃん。
「……ですが、ポワン様はお爺さんを追い出してはいないでしょう!?」
「えぇ……ですから先程も申し上げました。ザイルの逆恨みなのだと! それに儂は追い出された訳ではない。先代の村長に自ら申し出て、“鍵の技法”を生み出した儂を追放処分にしてもらったんです」
おや、新事実か?
「偶然とはいえ、簡単な錠前なら開ける事の出来てしまう“鍵の技法”を生み出した儂を、村から追放する事で“鍵の技法”自体に悪のイメージを植え付け、それを手に入れようとする者を悪人に見せる。そうする事で本当の悪人以外、“鍵の技法”に近づかなくさせ守りやすくしました」
えー……
つー事は、下手に“鍵の技法”を手に入れると、妖精さん達からは悪人扱いされちゃうのかな?
イヤだなぁ……大人になって再度妖精の村を訪れたら、周囲から白い目で見られるのは勘弁してほしいなぁ……
「人間の少年よ! 妖精達の姿が見え、モンスターを共にする事が出来る少年よ! 君になら“鍵の技法”を安心して託せるだろう……この洞窟の奥に封印してあるので、それを使ってザイルに気付かせてやってくれ! あいつは勘違いをしているだけなんだ……どうかそれを気付かせ、助けてやってくれ!」
勝手に押し付けるなよぉ〜……
俺だってそんなのイヤだよぉ〜……
それに黒幕は『雪の女王』なんだから、“鍵の技法”より戦力をくれよぉ〜……
「それはお断りさせてくださいお爺さん。俺に“鍵の技法”は荷が重いですよ……それにお孫さんを気付かせるのは俺の仕事じゃありません。それは家族であるお爺さんが行うべき事ですよ。俺達と一緒にザイル君の下に行き、彼に真実を告げ気付かせて
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