第8話
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ね・・・「アニメ制作なんてわけないよ」って。だから、気にしたら負けだよね・・・。
さて、現在ナルトはヒナタのお見舞いに来ている。
片手に花束を持って、そして果物をいっぱいに入れた籠をもう片方の手に提げている。
病室のドアをノックしたが返事がなかったので、そのままドアを開けて中に入った。
やはり、まだ寝ているようだ。
花瓶の水を換え、持ってきた花を挿して元々あった場所に戻し、その横に果物の入った籠を置いて、そしてベッドの横にイスを持ってきて座る。
ヒナタの顔を眺め始めてからどれくらいの時が経ったのだろうか。
低い位置にあった太陽も今はかなり高い位置にあり、少しばかり西に傾き始めている。
病室では、廊下の人が歩く音や台車を押す音以外聞こえない。
今か今かと起きてくるのを待つが、見舞いに来た時から少しも変化が見られない。
なかなか目が覚めてくれない様子を見て、ナルトは思う。
"演出・・・やり過ぎたな、こりゃ・・・。『敵を騙すには、まず仲間から』と思ってやったけど、これは間違いだったな・・・。"
時刻は午後3時を回った頃―未だ目が覚める気配はない。
"そういや、眠りに落ちた姫を目覚めさせるのは『王子様の口付け』と相場が決まっているんだっけ?
こ、これは・・・チャンスじゃないのか!?"
ナルトの頭の中には「アタックチャーンス!」とガッツポーズをした児○清さんが・・・。
ナルトは意を決して身を乗り出し、目標に向かって徐々に口を近づけていく。
だが、あとちょっとという所で瞼がゆっくりと開き白い眼が見え始めたので、ナルトは慌てて顔を離した。
「ん・・・」
「ひ、ひひひ、ヒナタ?」
「・・・ん?あれ・・・?な、ななな・・・ナルト・・・君?」
「おはようだってばよ、ヒナタ。」
「あれ・・・これって・・・夢?」
「い、いや〜、ちゃっかり生きてるよ?あの時は影分身を爆発させただけだ。ビックリさせてゴメンな・・・。」
「な、ナルト君・・・!!」
ヒナタはナルトが生きていたことに感極まり、顔面をグチャグチャにして泣き始め、ナルトに思いっ切り抱きついた。
ヒナタの涙はナルトの着ている服を胸の辺りからジワジワと別の色に染め上げていく。
ヒナタが泣き止むまで、ナルトは、「ゴメンな」、と何度も呟きながら幼子をあやすかのように頭を撫で続けた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ