第六十七話 勝利か敗北か
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「レクイエム、砲門準備良し」
「エネルギー充填量、七十パーセントを超えました」
「発射準備良し、最終確認を怠るな」
月基地ダイダロス――――連合が作り上げた決戦兵器であるレクイエムを今、ザフトの部隊は運用し発射態勢を整えつつあった。
「デュランダル議長からの暗号通信来ました。目標、ポイントF―05のPー29」
「ようやく連合との長い戦いも終わるという事か。しかし、このデスティニープランによって戦争そのものは続くことになるんだろうな」
ダイダロス基地に待機していた司令はプラントの最高権力者であるデュランダル議長からのレクイエム発射の命令を受け、砲撃の準備を進める。狙うように指示されたポイントは施設等は無いはずの空間だ。だが、おそらくはそこに敵が集結しているのだろう。
「レクイエムいつでも発射できます」
「エネルギーは万全ではないようですが、どうされますか?」
どうやら百パーセントの出力で撃つには時間がもうしばらく必要らしい。だが、元々の威力が大きいので問題はないだろう。拠点や施設を潰すという目的ならばともかく、狙っているのはおそらく艦隊。ならば十全でなくとも殲滅可能だと予測する。
「構わない、そのまま発射できるようになったら撃て」
そして、後数分もすれば放たれるだろうと思われたその時――――
「未確認機接近!速いッ!?」
レーダーに数機のMSサイズの機体が接近するのを確認する。接近する未確認機の映像が映され、正体が判明した。しかし、それは彼らにとっては喜ばしくない存在だった。
「あの機体は!フリーダムの同系統機か!」
未確認のMSの正体。それはアークエンジェルに所属しているストライクフリーダムだった。それに追随するように移動している少数の機体はMA形態のリゼル。純粋に直線機動ならリゼルはストライクフリーダムに追いつくことも可能だ。そして、僅かに遅れてはいるものの、月面を滑りながら進んでいるドムトルーパー。彼らの狙いは明らかである。
「レクイエム防衛の為にMS隊に迎撃を命じます!」
オペレーターはそう言ってすぐにザフトのMS隊を発進させるように命じる。あまり多くはないものの、たった数機のMSを迎撃するには十分と言える戦力。だが、司令はフリーダムと同系統の機体という事から作戦を変更させる。
「迂闊に接近させるな!MS隊の連携を生かして足止めに専念させろ!」
たった数機に何を言っているのだといった様子を周りは思うが、そのような視線に構うことなく指示を出す。元々コーディネーターによくある傾向だが、各々個人の実力に対するプライドが高いのだ。だが、司令から見てしまえばそんなものは唾棄すべきものである。敵が強いことは認めなくてはいけない。自身の実力不足は認識し、
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