12話 黒木 七実side
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ど、それがどうかしたのかよ?」
「いや、流石にそれは嘘だろう」
「なぬっ?」
いきなりの嘘つき呼ばわりに、思わず妙な声が出る。
「いくらなんでも、小学生が大人に魔力もなしに勝てるはずないだろう」
「…………、ああ〜なるほど」
そこでようやく、今の外見小学生=同年代=京介も小学生、の公式が成り立った。
(でも、あいつ中学生の時にはもう強かったしなぁ)
実際、中学の卒業式の時に教師陣と乱闘をして勝利していた記憶がある。
「ん? んんんん?」
「どうしたんだ?」
「いや、あいつなんで乱闘なんてしたんだっけ?」
勿論その返答をクロノに期待していたわけではない。
「えーっと、確か…………」
場所はさっき思い出した通り、卒業式中の体育館。卒業生代表として壇上に立った京介は大きく息を吸い込むと、
『思えばこの3年間、色々なことがありました。なかでも先生方から教わったことは、この先何があっても忘れないでしょう』
普段からは考えられないような口調で体育館に響く声。
その時は誰もが、『あれ? あいつって生徒会だっけ?』と首を傾げていた。
『そう、例えば体育の○○先生(♂)と音楽の○○○先生(♀)!』
2つの名字が勢いよく呼ばれ、その場にいた全員の目が一斉に、教職員の席へと向けられる。
名指しされた2人は照れ臭そうながらも、誇らしげな顔で立ち上がった。
『彼らは所謂男女の仲を築き上げ、私達に心が通じ合う素晴らしさを教えてくださいました!』
その内容に保護者席からは軽い拍手が起きる。
だがそれは保護者席からだけだった。
『皆様、配偶者を裏切ってまで燃え上がる彼らの恋に盛大な拍手をお願いします!』
瞬間、体育館は水を打ったかのような静寂に包まれた。
そう2人の薬指には既に指輪がはめられているが、2人が結婚しているというわけではない。
つまり、京介の言うことが本当ならば、2人の関係は不倫ということだろう。
『2人の付き合う切っ掛けとなったラブレターや、ラブホに入る瞬間の写真は後でばらまきますのでお楽しみに〜』
徐々にざわめきが大きくなっていく、最初は誇らしげな顔だった2人も最早青ざめ、震えている。
『さあて次は数学の○○先生(♂)と現国の○先生(♂)!』
ビクリと名指しされた教師の肩が震える。
『彼らは私達に友情というものの大切さを教えてくださいました!』
京介の背後のスクリーンに映像が映し出される。同時に体育館に悲鳴が響く。
その映像は局部と顔は隠されているが、明らかに女子更衣室の盗撮写真だった。
『みなさん! これが何を隠そう2人の共通の趣味! 盗撮です! 共通
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