11話 林道 五也side
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こで引くことはしたくない、ここで引けばなのははまた曖昧な笑みで誤魔化してしまうからだ。
それが彼女のなかで当たり前にならないうちに、できることなら解決したいものだ。
だとしたら、やはり多少強引にでもなのはの本音を聞き出すべきだろう。
「できれば話してくれないか?」
「ふぇ?」
できる限り優しい声を出すことを意識してなのはに話しかける。
「いや、もしかしたら俺が知らず知らずの間になのはを傷つけるようなことを言ってしまったのでは「そんなことないよ!」」
いきなりなのはが大声を出したことで、その場にいた誰もが動きを止めた。
なのは本人も、そんな大声を出したことに驚いたようで、慌てて口元に手を当てる。
「ご、ごめんなさい……………」
消え入るような声を最後になのはは俯いてしまう。
今更引き下がるわけにもいかないだろう、今までのやり取りから彼女の心中を察するしかない。
まずなのはの様子がおかしくなったタイミングは、友人つまり京介や黒木が話題に上がった時だ。
といっても2人について具体的に語ったわけではないので、どちらかといえば“友人”という部分が重要なのだろう。
次に妙に口ごもり、更には追求しようとしたとこ叫ぶような大声を上げた。
だがその叫びには怒気はなかったように感じた。
何らかの後ろめたさ、自己嫌悪、不安、なにより強い悲しみが声色から感じとれた。
この2つの点を無理矢理、こじつけ臭く繋いで線にする。
「俺がなのはに会いに来ているのは他の友人と会うのを我慢して、無理をして来ていると考えているのか?」
「……………!」
返事こそなかったが、大きく跳ねた肩が正解だと教えてくれた。
先程の反応は、その可能性に行き着いたなのはが俺に対する後ろめたさ。
その事を指摘して俺がこの家に来なくなるのではないかという不安。
またひとりぼっちになってしまう悲しみ。
とっさにその事を隠し、このままの関係を続けるような選択をした自身への自己嫌悪。
出口のない感情の渦に耐えきれずに叫び声を上げてしまった、といったとこだろうか。
だが、正直に言えば
「お門違いもいいとこだ」
そもそも前提からして間違っている。
現在京介達の居場所がわからない以上我慢もなにもないとか、四六時中あいつらといなければいけないわけではないとか、なのはといるのが新鮮だからというわけではない。
「俺は友人を見捨てるような趣味はない」
京介や黒木辺りなら放っておいても問題ないが、なのはの方は違う。寂しがり屋でまだまだ精神的に幼い(小学生にしてはやたらと成熟しているが)彼女を放っておくことはできない。
「でも…………それって、同情じゃ…………」
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