Episode3 いつも
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わゆる《集中状態》のようなものが終了した。自分の剣が相手を斬ったことを認識したアカリはすぐに頭を下げた。
「あのっ!ごめんな――」
ギュオッ!という狂暴な音とともにお辞儀したアカリのすぐ頭上を短剣が通り過ぎた。その場所には、ほんの少し前までアカリの頭があったはずだ。
「――さいっ!えうぅ…」
顔を上げたアカリの視界に飛び込んできたのは歯を限界まで剥き出したケモノの顔だった。怯えたアカリは後退り、その時に足場である河原の石に躓いてしまった。尻餅をついたアカリを血走った目が捉える。そして、先程までとほとんど同じように構えられた短剣が深緑に光った。
今度こそ目をつむり体を強張らせた。が、その体がフワリと浮き上がった。
「ったく、何やってんだ俺は。…悪いアカリ、待たせたな」
お姫様抱っこのような状態からそっと下ろされたのを感じ、きつく閉じていた目を開けるとそこにあったのは《いつも》の背中と《いつも》の光景だった。
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