黄昏の火曜日
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してみたくないわけではないが天野がそんなことができるとは思えない。
「そっちは?」
「俺、モテ期が来たかもしれない」
「…それ、嬉しいの?」
「嬉しくない、一刻も早くやめて欲しい」
「男子校ってすごいところだね…」
天野はイケメン、というよりかは美少年。中性的な、女の子に近い顔立ちをしている。おまけに細くて小さいので男子校ではいい女子がわりになるのかもしれない。
「私とのとこ、ばらしちゃおっか」
「それはやめて、俺そういうキャラじゃない。それに男子校での彼女持ちってかなり危うい立場にいるんだ。」
「へー…大変そう、共学でよかった…」
その後もたわいのない話を二時間くらいだらだらと続けると
「会計するよ」
「うん、待って今お金出す…あ、ぴったしあっまた」
おごってもらったり、は基本的にしないなんだか借りを作るようで嫌なのだ。
「それじゃ、帰ろうか」
私はこのタイミングが一番嫌いだ、なんだか胸を締め付けられるような、息ができないような、そんな気分にさせられる。
前を歩いている天野の背中と真っ赤な夕日が私を切ない気分にさせる。
だからといってそれを言っても仕方がないの無言でついていく。
中学校が同じなため、家も近く最寄駅も一緒だ。
そうすると帰りの電車も必然的に同じになる。その間、ずっと息の詰まるような思いをすることになるのだ。
帰り道、途中の三叉路で私達はわかれる。
「じゃあね、」
今までずっと無言だった天野が言う。
「…うん、またね」
そのまま天野は振り返ることなく行ってしまった。夕日のまぶしさが目を細めながら、私はしばらくそこに佇んでいた。
家に帰ってベッドに飛込んで思うのだ。
なんで、こんなに息が苦しくなるのに、私は天野に会いたい、と思ってしまうのだろう…
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