第二章 [ 神 鳴 ]
二十話 闇の邂逅
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問いかけた。
「こいつの助けを受ける代わりに言う事を一つ聞く事になってるのよ」
「…七枷様まさかルーミアに『俺の女になれ』とか言うつもりじゃ…」
「おお!その手もあったね!」
「なッ!?」
僕の発言にルーミアは顔を真っ赤にして睨みつけてきた。意外と純情なのか。
「まぁ冗談はさておき、ルーミアにお願いしたい事はね――――」
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
「そろそろ出来たかな?」
僕は土鍋の蓋を取り中を確認してみる。諏訪大社の一室に食欲をそそる鍋の香りが広がっていく。春に鍋って言うのも中々いいものだ。
「やっぱり鍋は寄せ鍋が一番だよね。モツ鍋も捨てがたいけど。皆はどう思う?」
僕は食卓を囲む皆に意見を聞いてみた。
「「「「 ………… 」」」」
何故か無言。どうしたんだろうか。すると全員を代表するように諏訪子が僕に話しかけてくる。
「…虚空……どういう事?」
「どういう事って、なんで今夜は鍋なのかって事?」
「うんまぁそれも気になるんだけど……そこじゃない!!!」
そう叫ぶと同時に諏訪子は食卓を飛び越え僕にドロップキックを放つ。
「ぐはっ!」
顔面に直撃を受け派手に吹き飛ばされた。そして諏訪子は倒れた僕に跨り襟を掴んで上下に揺さぶる。
「一々ボケるなもう!あたしが聞きたいのはこの女は何なのかって事よ!」
諏訪子が指差した先には微妙な表情を浮かべるルーミアがいた。
「あぁごめん、紹介が遅れたね彼女はルーミア。今日からここに住むからよろしく」
「…お父様もちょっと詳しく教えて」
「そ、そうです!どうしてこの諏訪大社に妖怪を住まわせないといけないんですか!」
「楓様はヒドイ神様ですー。それだと紫ちゃんもここには住めないですー」
「えっ!い、いえ、違うのよ!そういう意味じゃなくてえとえと…」
「楓ちょっと黙って。で?どういう事?」
諏訪子は真剣な面持ちで再び僕に同じ質問をしてきた。
「ルーミアに大和の国との戦に協力してもらう事になった。何時攻めてくるか解らないからここに住んでもらう事にしたんだ」
僕がルーミアに出した交換条件は大和の国との戦に協力する事。渋るかと思っていたけど案外簡単に了承を貰った。よっぽど僕に借りは作りたくないのだろう。
「なるほどね。じゃぁあんたに聞くけど本当に協力してくれんの?裏切った時は祟るよ?」
諏訪子の問いにルーミアは真剣な表情で、
「私自身の名に懸けて約束は守るわ」
ルーミアは真っ直ぐに諏訪子の目を見てそう宣言する。
「…分かった信じるよ。早希、
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