臨海学校 後編
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んざどうでもいいからさっさと乗れ」
一夏に意見する箒の言葉を途中で遮りながら響が告げると、箒は面を食らったような顔をするが渋々と響の上に乗った。
さらにその二人の上に一夏が乗り、随分とおかしな格好だがこれが一番最適な形なのだという。
『織斑、篠ノ之、鳴雨聞こえるか?』
オープン・チャネルから千冬の声が聞こえた。
『いいか、まず鳴雨が瞬時加速を行いトップスピードに乗ったところで篠ノ之が飛び上がり、そこからは篠ノ之と織斑二人での行動だ。あと先ほども言ったが今回の作戦は一撃必殺だ。それを忘れるな』
「「了解」」
「へーい」
3人はそれぞれ頷く、すると、
『鳴雨、お前は二人を運び終わった後は帰投せずにそのまま滞空しろ』
今度はプライベートチャネルが響の元に入ってきた。
「わかりましたよー」
『それと今一夏にも言ったところだがどうにも篠ノ之が浮かれているようだ。もしサポートが必要であれば助けてやれ』
「余裕があればしますよ」
肩をすくめながら響が答えると、千冬はまた回線をオープンにし、
『では、作戦開始!』
千冬の宣言と共に響が夜天月の全ブースターを開放する。
同時に金きり音が聞こえ始め、夜天月の脚部から熱風が吹き荒れた。その衝撃で後ろの砂が砂塵となるが響はお構いなしだ。
「行くぞテメェら、振り落とされねぇようにしっかり掴まってろよ!!」
響の声と共に夜天月が一気に上空およそ500mまで一秒もみたいない速さで飛び上がると、さらにそこから急加速を行う。
「ぐっ!?」
……はやい!! なんつー速さだよ。響はこんなISに乗ってたのか!?
あまりの速さに一夏、箒共に顔をしかめた、だが響は涼しい顔だ。
「一夏!! 篠ノ之!! そろそろトップスピードだ! 気ぃ抜くんじゃねぇぞ!!」
『お、おう!』
『了解した!』
二人は互いに頷きながら答える。
それからおよそ数秒後、
「トップスピードだ! 行け! 篠ノ之!!」
『了解!! 行くぞ一夏!』
響の言葉に答えながら箒は紅椿の展開装甲を起動させ、響から離脱した。
二人が上がったのを確認した響は、夜天月の速度をゆっくりと落とし、やがてある空域で滞空した。
「こちら鳴雨響。織斑、篠ノ之両名の離脱完了しました」
『わかった。では引き続き滞空しつつ援護できる時は援護を頼む』
「了解」
千冬とのオープンチャネルを閉じ、響は二人の飛んでいた方向をISのハイパーセンサーで見つめる。どうやら無事に飛んでいるようだ。
……さて、問題は篠ノ之か――。
「――ミスらなきゃいいけどな」
響
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