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少女1人>リリカルマジカル
第四十二話 少年期【25】
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りを気遣う、不器用さがある人だってわかった。誰よりも一生懸命で、誰よりも真面目で、誰もが頼りにするもっとすごい人だってわかったんだ。


「……そういえば、俺。副官さんにずっと言いたかったことがあるんです」
「は?」
「これは副官さんだけじゃなくて、総司令官や地上部隊のみんなにも当てはまることだと思います。だけど、今は副官さんに伝えたいです」

 いきなりの俺の切り返しに、ポカンと口を開く副官さんに笑みが浮かぶ。そして俺は真っ直ぐにゲイズさんを見据え、静かに頭を下げた。

「いつもミッドの平和を護ってくれて、ありがとうございます」

 彼の目が大きく見開かれた。普段から忘れがちになるけど、当たり前なんてない。今俺が笑っていられるのも、家族や友人たちがいつも通りに生活できるのも、ゲイズさんやローバスト総司令官が頑張ってくれているからだ。

「ゲイズさんが仕事が大好きな……頑張り屋な人だって、少ししか一緒にいなかった俺でも知っています。書類仕事や外交、それに総司令官に教わりながら、指揮官の訓練も頑張っていることを知っています」

 俺がこの人を構ってしまうのは、そういう部分に惹かれたのもあるんだ。そして彼が知らないだけで、きっとそんな人はたくさんいるんだと思う。

「だからかな。さっきゲイズさんから、本部の人たちがお祝いモードだったっていう気持ちが俺にもわかる。俺も、ゲイズさんの周りの人たちも、同じことを思っているんだってわかったから」

 副官さんの考えを否定はしない。だけど、気づいてほしい。副官さんの言うとおり、お姉さんの幸せはもちろん大切だ。だけど同時に―――


「他の誰でもない。俺たちはゲイズさんに幸せになって欲しいんです」
「…………」

 家庭が一番だなんて誰が決めた。俺の中では確かに1位の価値観だけど、そんなの人それぞれだ。その違いが、その人の中にある輝きだと思う。むしろ、その輝きで惚れさせちまえ。

「もったいなくなんてない。お姉さんもすごく素敵な人だけど、それに負けないぐらいゲイズさんも素敵な人なんですから。仕事に一生懸命? 上等じゃん。俺や周りの人は、そんなゲイズさんが好きなんですから」



******



 あれから運ばれてきた料理も平らげ、俺たちは店を出た。お金は副官さんがちゃんと出してくれました。奢りって言葉はやっぱりいいよね。食後の運動もかねて、2人でぶらぶら休日のクラナガンを歩いていた。

「……彼女とは話をしてみる」
「はい」
「それで愛想を尽かされるなら、単純に縁がなかった。それだけだ」

 ……そっか。副官さんの横顔を見ながら、少しでも相談にのれたのならよかったと思う。すっきりした様子に俺も安心した。それにしても、なんかすげぇ恥ずかしいこ
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