反董卓の章
第3話 『…………では、いよいよだな』
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とが明白なのは事実。でしたらお助けするのが、何進大将軍への恩義を返す事にもなりましょう」
「…………わかりましたわ。何太后にお会いして、すぐに書状をお願いしますわ! 行きますわよ、猪々子さん、斗詩さん!」
「はい!」
「ま、まってくださいよぅ。なんか、なんか引っかかるんですけど……」
「本初様、急ぎませんと。董卓が洛陽に到着してからでは水泡に帰します」
「そうですわね、急ぎますわ!」
「ま、待ってくださいよぅ………………」
「……………………………………」
―― 公孫賛 side 北平 ――
「本当か!?」
「は! 間違いなく劉伯安様、直筆の書状にございます」
使者が私の前で、頭を垂れる。
その手に持つ書簡は、まぎれもなく皇室の落款が押されていた。
その書状は……劉虞から、私宛への書状。
しかもその内容は……
「では、本当に……」
「はい……伯安様は、今までの自身の為されたことに深く後悔を抱き、伯珪様に謝罪したいとのことです」
「おお…………」
信じられない。
あれだけ民を蔑ろにして、諌めた私を蛇蝎のように嫌っていた劉虞が。
急に私に謝りたいだなんて……
「一体、どういう心境の……」
「……ここだけの話ですが。伯安様は、まるで悪い夢を見ていたようだと」
「……は?」
悪い夢?
「ご自身でも、なぜあのような非道を行ってしまったのかわからない、とお嘆きなのです。最初は、わたくしも何を仰せなのかと思いましたが……伯安様のお嘆き様は、とても嘘偽りの様子とは思えなく」
「…………つまり、お気を狂われていた、そうご自身でおっしゃっていると?」
「……は。正直ご自身でもそうとしか思えないと、お嘆きあそばされております」
……どういうことだろうか。
仮にも皇族である劉虞。
その劉虞が、自身の非を認めただけでなく、自身を蔑むことを周りに漏らしたと……?
皇族として、自身を貶める行為をするような人物だったとは思えないのだけど。
「確かに劉伯安様は、洛陽にいた頃の噂では民を想い、部下に分け隔てない扱いをなさり、仁義を尊ぶ方とは聞いていたが……」
「はい。古くから仕えるわたくしめにも、今の伯安様は平原に参られる前の伯安様に戻っております。あの虐殺や暴虐をしていた姿とはまるで違う……まさしくあれは、別人のようでした」
「……誰かがすり替わっていた?」
「……いえ、そのようなことは。たしかにご自身でした。人が変わられた、と思うておりましたが……」
そんなことが……ありえるのだろうか?
人間が、そんなに簡単に人格そのものが入れ替わるなどと……
「その証、というわけではありませんが、伯安
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