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黄昏アバンチュール
女子たちの昼休み
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3-1.
次の日、授業は淡々と進み気がつけば昼休みになっていた。
三時間目あたりからなんの記憶もないのはきっと気のせいだろう。


昼休みの始まりを告げるチャイムがなるとみんなおもむろに動き出す。半分くらいの人は休み時間中に早弁をしてさっさと部活をしにいってしまうが、私はほかの女子達と一緒に弁当を食べていた。

私を含めた三人が沙耶の席の近くに集まっている。丸山桃子と、牧瀬葵、私と沙耶が新しいクラスになってできた友達たちだ。葵はバスケ部、桃は放送部だ。二人は早弁はしないものの、弁当を食べたらすぐに部活に行ってしまう。

「眠かった…」
前の授業は現代文だったらしい、まだ、授業もはじったばりで時間割が頭に入っていない。
「花乃ちゃん、三時間目からずっと寝てたじゃない」と、葵に突っ込まれる。
「いやー…なんだか眠くって」
「その割に成績いいからなー、腹立つよ、ほんとに」
「そんなことないよ…もう、授業聞いてなきゃ解けない問題だされる教科なんて赤点スレスレ…」
「でも、理系教科できるよね、うらやましい」さっきからもくもくと弁当を食べていた桃子が話し出した。
「追試をうけるということがどんなに辛いか…」
「次の期末は大丈夫だよ、でも、きっと範囲が大変な事になるね」と葵。
「まぁ、沙耶が最強なんだけどね」
と、含みを持たせて言う。さっきからにこにこしながら見守っていた沙耶の顔がピクリとした。
「沙耶ちゃんって成績いいの…?」桃子が訝しげにこっちをみる。
「いいも何も…学年5番以内には必ず入ってるよ」
「はぇー…」「まじで…」
私達の高校、桜ヶ峰高校はそれなりの進学校なため、学年5番以内なんていったらもう、神様のような存在だ。
沙耶がしてやられた、という顔をしながらこちらを睨んでくる。
この学校には成績上位者を張り出すなどという制度はないので、学年上位の人達は謎に包まれている。二人にとっては衝撃だったに違いない。
「そういや、部活行かなくていいの?」
「「あっ!!」」
二人とも化石になっていたらしい、急いで弁当を食べて出ていってしまった。
葵なんから沙耶を無言で小突いていた。


「もう、余計なことを…」沙耶が抗議の目で私を見る。
「まあまあ、秘密を共有するってなんだか楽しいじゃない、きっと、言わないよ。あの子達も」
「それはわかってるけど…というか、花乃ちゃん、なんかいいことあったの?なんか、機嫌いいよね?」
「わかっちゃった?メールが来たの、天野から」
「そういうことか、遊びに行くの?」
「うん、来週の火曜」
「よかったね、長続きするね、もう一年はたったんじゃない?」
「うーんそんくらいかも…でも、そんなに会うわけじゃないし」
「そんくらいがいいのかもね…私はまだ、彼氏とかはいらないや
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