暁 〜小説投稿サイト〜
黄昏アバンチュール
女子たちの昼休み
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「勉強が恋人?」私が茶化すと
「そーゆーことにしておいてください!」とむくれた。本当に沙耶は美人だ、惚れ惚れしてしまう。


でも、私は知っている。沙耶は恋をしていることを、その恋は叶わない、叶ってはいけないものだということも…









勉強もできて、美人で、そんな沙耶の秘密に気がついたのは一年生の秋の頃だった。
生徒が先生について話すことはよくあることで、それは沙耶も私にもいえることである。

だが、沙耶が頑なに触れようとしない先生が一人だけいた。

近づこうともしないし、話そうともしない、そのくせ黒板になにかかかいてるときは見たことのないような、瞳で睨みつけているのだ。

まえまえからおかしいな、と思っていたけどそれが恋ではないかと気づいたのは秋になってからだった。
これはただの推測にすぎないが、そうすれば、すべての説明がつく。

沙耶は優等生だ、きっとそれが許されないことであることに気がついていないわけが無い。

ずっと葛藤しているはずだ。悩んでいる筈だ。


だから、私はそのことについて触れられない。
触れたら、沙耶の中の何かが壊れてしまいそうだから。



化学の吉川悟先生。
沙耶は一年生の頃は化学部に入っていた。
でも、沙耶の成績がどういうわけかばれてしまうと、プライドの高い化学部員は沙耶のことを空気のように扱った。

都合のいい時だけ利用する雑用係として。

ちょうど、一年生の頃に新任採用で桜ヶ峰高校にやってきた悟先生は化学教員として化学部の顧問にさせられていた。

二人が出会ったのはきっとその時のはずだ。



そして、沙耶は化学部をやめてしまった。
何があったのか私は知らない。




悟先生、あなたは沙耶の気持ちに気づいたらどうするんですか…?









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