第一話 TSですかスキマですか
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向になおる気配がない。医者にいったが特に原因はないとのこと。あ、まだ小学生だよ。口調がいたについてきた。休みなのだが、今日は幽々子に呼び出されている。別に強引に呼び出されている訳ではない。しかも真面目な顔をしていたので、絶対に行かなくては。
西行寺邸に到着。うわー。広い。敷地面積が広い。でっかい桜の木もある。さてと、今日は幽々子しか居ないらしい。珍しく出迎えてくれなかった幽々子の指示に従い、よく一緒に遊んだ部屋に行く。
「着いたわよ、幽々子」
・・・返事がない。心配になって襖を開ける。いつも道理正座している幽々子。何故か目をあわせてくれない。そういえば、最近元気なかった。
「どうしたの?幽々子。最近元・・・!?」
元気ないよ。そう言おうとして敷居を越えたとたん、いままであった倦怠感、それが一気に辛くなった。立てないほどに。思わず膝を着いた。
「紫、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ」
痩せ我慢だが、心配させまいとする。
「嘘ついちゃダメ」
流石にばれるか。
「だって、こうなったのは私のせいなんだもん」
は?思わず正常と異常の境界を見る。そこに写ったのは、幽々子を埋め尽くさんばかりの赤黒い蝶だった。以前見たときより気持ち悪い。そうだ、忘れてた。死んでない幽々子は、『死に誘う程度の能力』を持っている。しくじった。それが理由で幽々子は死の道を選んだ。
「御免ね、いままで隠してて」
謝るな。俺だって悪いんだから。
「私と一緒にいると、死んじゃうの」
そう言った幽々子は、今にも死にそうな顔をしていた。
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