”狩人”フリアグネ編
十二章 「困惑」
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。
それとも、俺が夫婦剣を投擲したからか。
いや、そんな事はどうでも良い。
今はシャナを助ける方が先決だ。
突撃してくるフィギュアと、シャナの中間地点で夫婦剣を爆破する。
すると、同時にフィギュアも爆発した。
「――グ、あうッ!」
爆風と炎によってシャナは地面に叩き付けられる。
無論、それは爆心付近に位置する俺も例外ではない。
同様に路面に投げ出された俺だが、今更ながらに戦慄が走る。
―――つまりは、そういう事だったんだろう。
フリアグネは、あのフィギュア共の爆破をもってシャナを仕留めようとしていたのだ。
何故、フィギュアは爆発したのか?
恐らく、あのハンドベルの音に共鳴したフィギュアは、元の存在の力に還元されて爆発するのだろう。
その威力は見ての通りだ。
原理的には壊れた幻想と似ているところが有るように思える。
前へと突撃していたシャナは、足裏を爆破して逆噴射をかけていたようだ。
負傷はあるようだが、致命傷ではない。
壊れた幻想のお陰で、爆発の威力自体はいくらか減衰させたしたな。
しかし、いかに壊れた幻想でも、完全に相殺は仕切れなかった。
俺のよりも爆発を至近で受けたシャナは、未だ衝撃から立ち直れずにいた。
―――不味い!
「逃げろ、シャナ!」
立ち上がるよりも先にシャナに叫ぶ。
しかし、フリアグネは衝撃から立ち直りきれないシャナに、さらにフィギュアの多重爆破を見舞った。
「―――っ、うぐ!」
形振りにも構わずに、地面を転がるシャナ。
そのあまりにも強力な威力は、封絶を揺るがせている様な錯覚を覚えさせた。
「はは、どうだい? 素晴らしい威力だろう、私の『ダンスパーティ』は。燐子を弾けさせて、爆弾にする宝具さ。鐘を鳴らすだけで敵が葬られる。僕は何もせず鐘を鳴らせば良い。ふふっ、優雅な宝具だろう?」
得意気に笑うフリアグネ。
紛れもなく、対軍宝具相当の威力がある。しかも、あの口振りだと燐子の残弾が尽きない限り無制限で攻撃可能ってことか。
―――流石は、狩人と言われているだけはある。
どうやら真名は伊達じゃないってことか。
一筋縄ではいかない、それどころか宝具を駆使した奇策を使ってくる。
所詮、戦闘なんて何処の世界でも同じ様な物だ。
紅世の徒に詳しくない俺にすら、奴の強さを思い知らされる。
「くそッ!」
立ち上がらなければ。
これ以上、シャナをやらせてたまるか。
地面に伏せてしまったシャナの状況を確認しながら、立ち上が―――
「―――っ?」
再び爆発。
しかし、今度はシャナの付近ではない。
気付けば俺は宙に投げ出されていた。
「なに―――が。ッか、は――!」
受け身を取る間も無く、路面に叩き付け
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