第六十六話 残骸の幕引き
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クのグフ。それから逃れようにも周りの敵部隊が逃げ道を無くすように囲い込んできている状態だ。厄介なのは突撃してくるのは正面のイザークの乗る白いグフだけであり、周りのMSは距離を取って、こちらの攻撃を警戒しているという事だ。
「だが、これ以上接近させるかッ!」
『チッ!?』
スペキュラムパックに装備された虎の子のミサイルが放たれる。そしてすかさず機関砲を放つことであえて誘爆させ敵の対応を鈍らせた。
「ウオオォォォ――――!!」
そのまま突撃を仕掛け、ライゴウはグフにタックルを行い吹き飛ばす。イザークは危うい所で何とかシールドを正面に構えて受け止めるものの、衝撃自体は殺されることなく受けてしまった為、大きな隙を見せてしまう。
『しまったッ!?』
このままでは止めを刺される、とそう思ったイザーク。体勢を崩した今の状況では確かにビームの一光で撃ち落とせるだろう。しかし、予想した攻撃は繰り出されなかった。
『……クソッ、手を煩わせるまでもないという事か!!』
憤怒の表情でイザークは敵を見つめるが、それは単なる見解の相違でしかない。ネオの目的はただ敵を仕留めるのではなく、コロニーレーザーを出来る限り短時間で制圧するという事だ。一方で、イザーク達の目的はあくまでも敵の迎撃。一応はコロニーレーザーに対して何らかのアクションをしようとしていると当りをつけているものの、それ自体に確証はないものだ。
その達成目標の違いが彼らの命運を分ける結果となった。もしネオの目的が単純に敵部隊への攻撃であったならイザークを仕留めていただろう。だが、同時に彼は周りの敵部隊によって致命的な隙を曝す結果となり、落とされていたかもしれない。
「これ以上、時間を掛けるわけにはいかん!このまま戦線に無理矢理穴を空けさせてもらおう!!」
スペキュラムに再び火を入れ、加速させる。その正面からの強行突破を前にザフトの部隊は次々と砲弾の雨霰を繰り出すが、回転しながら躱し、ミサイルなどは機関砲で迎撃し、シールドで防いで、時にはビームライフルで敵を貫いて、突き進む。
『いかせるな!なんとしてでも止めろ!!』
後ろからイザークが追いかけるが、機動力に関してはこの場にいる誰よりもライゴウはバランスが良く、速かった。
「また会う機会があれば、今度こそ相手をしてやるよ、ザフトのエースパイロットよ!」
そのままライゴウはその戦線を抜けきった。
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