第六十六話 残骸の幕引き
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ムライフルで撃墜する。
「戦場のど真ん中で立ち止まって演説とか、こっちの心臓に悪いんだけどね……」
一人そうやって愚痴る事しか出来ないクラウはデュランダルの行動に溜息を吐きながら戦況を確認する。どうやら投降しなかった敵部隊は一ヶ所に集結して、部隊を再編しようとしているようだ。撤退の動きからそれが分かってしまう。
しかし、議長は敵の投降を優先しており、追撃は必要最低限しか指示していない。独断で突撃するようなものはともかく、ザフトとしては積極的に追うつもりはない様だ。
「最も、それが狙いな気もするな。全く――――議長は何を考えているのやら?」
クラウでさえ議長の行動は予期、予測できないものだ。とはいえ彼にとっては自身が切られない限り議長の目的が何であっても構わないと思っている。元々彼は最終的に自分が死のうが死ぬまいがどちらであっても別段気にしていない。
彼の行動原理は愉悦、未知、異常、変革など――――そういった現状の変化を求めているからだ。勿論、停滞であろうとも構わない。人生とは得てしてそういったものだと納得して死ぬだけだ。彼にとってはこの人生は数ある人生の中で多少大きくかかわっただけの一つに過ぎない。
「でもまあ、ここまでするからには勝ってほしいものだね」
議長の搭乗するノイエ・ジールUを見ながら彼はそう呟くのだった。
◇
「グッ、まだだッ!ここで終わるわけにはいかんのだよ!!」
イザークと周りのザフト部隊に苦戦を強いられながらも必死に抵抗していたネオはイザークと再びぶつかり合う。しかし、ビームソードを突破することは出来ず、機関砲を浴びせようとしてもイザークは咄嗟の判断力でそれを回避して攻撃を殆ど受けずにいた。
近接戦では不利だと感じていたネオは距離を出来る限り取り続け、ビームライフルで攻撃を続ける。直接機体からエネルギーを供給しているライゴウのビームライフルは実質核動力によって動かしているライゴウにとって無限の弾薬がある状態だ(銃身がもつわけではないので永遠に撃ち続けることは不可能だが)。
しかし、目に見える範囲でいるザフトの部隊に核動力が居ない上に、敵のエースのMSは近接戦向けの機体な為、銃撃戦でなら敵よりも優位に立てる。だが、それはあくまでも一対一でならの話だ。
「畜生ッ……!?数が多すぎるだろ!!」
ネオ達の部隊は正面から突破しようとしている部隊はたったの三機だ。周りでかく乱しようと攻撃を続けている部隊もいるが、それとてガーティ・ルーに配備されている機体しかいない。戦術規模の戦力で戦略規模の敵を打ち砕くことなど、竹槍で戦車や戦闘機を落とすに等しい事だ。
『単機でそこまで粘ったことは褒めてやるが、これ以上はやらせんぞ!』
そう言って再度接近してくるイザー
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