第六十六話 残骸の幕引き
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てそちらに向けろ!」
赤紫に染められたザフトのノイエ・ジールUが接近する。少しでも守ろうと立ち塞がった機体は容易くビームガンやドラグーンに撃ち落とされ、艦隊の砲撃も命中など碌にせず、寧ろ味方のいる場所に向かって放たれることで混乱が巻き起こるだけだった。そして、抵抗など無意味とばかりにノイエ・ジールUの接敵を許してしまう。
『これで終わりだよ、ジョゼフ。連合という組織そのものの崩壊だ――――』
「おのれッ、デュランダル!」
ノイエ・ジールUに乗るパイロットがデュランダル本人だとジョゼフは知らない。だが、それでもこの戦闘を行う原因となった敵に対して怨み言を言う位しか彼に出来ることはなかった。そして、デュランダルが乗っていることを終ぞ知らないままにジョゼフの居たアガメムノン級の艦橋はノイエ・ジールUのビームサーベルによって切り捨てられることとなった。
◇
旗艦が落とされたことによって連合の戦線は更に混乱を増した。元々アガメムノン級の司令はアルザッヘルの司令でもある。だからこそ、アルザッヘル基地のパイロットたちはそれに従っていたのであり、それ以外の指揮権を持つ人間でまともに指揮を執れるものなど殆どいない。
また、この作戦を提唱した人物である大西洋連邦大統領であるジョゼフもまたアガメムノン級に搭乗していた為、最早組織の最高の権力を持ったん人間の死によって瓦解に大きな影響を与えていた。
『私、ギルバート・デュランダルはここで戦闘行為を終了し、諸君らに名誉ある投降をしてもらいたいと願っている。何故、こうも連合が抵抗したのか?考えていただければ諸君らにもお分かり頂ける筈だ!大西洋連邦大統領のジョゼフ・コープランドが己の私欲へと走ったからである。自らの地位にしがみつき、他者を足蹴にしてでも保身の為に動こうとする――――その身に余る欲こそが我々と諸君らを戦場へと駆り立てる結果となったのだ!
今のあなた方に本当に平和を思う気持ちがあるのなら、争いを無くしたいと思うのならば、どうか投降して頂きたい!繰り返すが、これは名誉ある投降であり、決して他者によって貶されるようなことではないのです!!』
完全に目的意識を砕かれたに等しい連合は、その多くが投降を始める。一部の連合部隊は無駄とも言える抵抗を続けたり、すぐさま戦況を立て直す為に撤退するもののその数は決して多くはなかった。
『名誉ある投降だと?どこまで傲慢を気取るつもりだ、宇宙の化け物め!!』
「いやまあ傲慢なのは認めるけど邪魔はしないでほしいかな」
投降の呼びかけを放送しているデュランダルに対して連合の一人のパイロットが動きを止めたノイエ・ジールUに向かおうとするが、現在のクラウの役割は彼の護衛であるためそのようなことを許すはずもなくリゲルグのビー
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