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lineage もうひとつの物語
序章
出逢
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してや森の中といってもおかしくない場所である。
ここで一晩過ごすのは危険過ぎる。
この少女ナターシャは果たして動いてくれるだろうか。
こうしているうちに影が濃くなっていく。
勇気を出して移動を促そうと口を開いた瞬間

「あの・・・街道まで移動しましょう」

天の助けとはまさにこのこと!
ナターシャから移動の提案があったのだ。
大きく頷くとアレンは立ち上がり剣を持ち荷物を背負う。

「随分薄暗くなってしまいました。急ぎましょう」

自然を装って手を出すとナターシャは恥ずかしそうに手を取る。
もう死んでもいいかもしれない。
嬉しさのあまり飛んでいってしまいそうになるがそこはナイト。自分を抑えゆっくりとした速度で森へ侵入していく。

そこからのアレンは強かった。
活動が活発になり次々と襲いかかってきたモンスターを一刀のもと斬り捨てナターシャと繋がっている左手を離さず森を切り抜けた。
途中、「少し痛いです」と言われて力が入りすぎていたことに気付かされるのだが。

街道より海側で岩に囲まれた場所を見つけ夜営の準備にとりかかる。
ナターシャもそれを手伝おうとするが顔に疲労が見てとれたので休むよう促す。

いつもの半分の時間で設営が終わったが本人は気づくことなく夕食を袋から取り出す。

「すみません。干し肉とパンしかないのです。」

「頂けるだけありがたいです。はぐれた仲間が荷物を持ってたので」

ナターシャには最高級の肉で作ったものを渡す。
ウッドベック到着記念に食べようと手間暇とお金をかけて作ったスペシャル干し肉だ。もちろん一つ限りの品である。

ここでアレンに衝撃が走る!
水。
水筒はひとつ。
しかも直接口を付けて飲むタイプだ。
水筒を握り締め固まってしまう。


か、か、か、間接キス?

ダメだ!
何を考えてるんだ!
落ち着け俺!!
大丈夫だ。さっき川で洗ってから口はつけていない。
俺が我慢すればいいだけだ。
大丈夫。

深呼吸をし、水筒を差し出すとナターシャはお礼を言って口を付けた。

さっきまでの動揺を隠すように干し肉にかぶりつく。
ナターシャは少しずつかじって食べていく。

「すごくおいしい」

その言葉を聞いて得意気な顔になり

「そりゃそうさ。丹精込めて作ったんだから」

「自分で作ったのですか?!すごいです」


アレンは舞い上がり作成工程を聞いてもいないのに語りだしナターシャは楽しそうに受け答えしていた。

ナターシャにとってアレンの話は飽きることなく心底楽しかった。
幼い頃に両親を亡くし話せる島に渡ってからは箱庭で育てられた。
単独での外出は禁じられ外部との接触はご法度だった。
知るものといえば育ての親と一緒に旅
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