『祭』 正午〜夕方
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マシンピストルを放り投げ左手にもトンファーを展開、瞬時加速を発動させ爆炎の中に突入する。それとほぼ同時にラリサはアサルトカノンを収納し、瞬時加速を行いつつ自身の倍近い刀身のある剣を展開。同時に瞬時加速を発動させ『敵』に向かって横薙ぎに振り抜いた。
二人は自分の武器に確かな手ごたえを感じる。しかし……
『『な!』』
次の瞬間にはその手ごたえが破砕音とともに消え去った。ジャンヌの攻撃に使用した右側のトンファーは根元から吹き飛ばされており、ラリサの巨大な剣は中ほどから先が無くなっていた。そして『敵』の両手にはそれぞれの武器の破壊された部分が握られている。
二人が驚愕の声を上げると同時にそれぞれが反対方向に弾き飛ばされた。どうやら腹部に蹴りを食らったというのだけは分かった。
そして二人が体勢を立て直す一瞬の隙をついて『敵』は再度IS学園に向けて飛翔を再開していた。
『なんなんだ……あいつ』
『あれが……亡国機業(ファントムタスク)』
二人はそれだけ呟くとお互い顔を見合わせ一度頷くと『敵』の後を追うために移動を開始した。
「お、織斑先生……」
その一部始終を見ていた麻耶が恐る恐る千冬の指示を仰ぐ。千冬は数秒の沈黙の後に指示を出した。
「校内全域に非常事態宣言を。それから待機させていた教師陣を直ちに出撃。専用機持ちの生徒にも連絡の取れる者から応援要請を」
「は、はい!」
「しかしあの技は……」
『敵』が見せた武器破壊。あれを千冬はよく知っている。いや、よく知っているどころではない。あれは自分が編み出した技だ。そしてあの技は誰にも伝えていない。弟の一夏にさえも。
「まさか……」
千冬の呟きは管制室のけたたましい警告音に掻き消され麻耶に聞こえることはなかった。
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