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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『祭』 正午〜夕方
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んな考えに一度だけ溜息をつくとドレスを脱ぐ準備を……これどうやって脱ぐんでしょう。無理やり着せられたから全然着せられ方覚えてないんですよね。多分背中に紐が見えるからこれを解けばいいんでしょうけど……

「ふん……むむむむむむむむ、むぅ!?」

 と、届かない……コルセットがきつくて手が回らない……なにこの息が詰まらない程度に絶妙で手が回らない締め加減のコルセット!
 また溜息をつくと私は近くの椅子に腰を下ろします。流石に破いてしまうわけにも行きませんし、誰かくるのを待ちましょう。
 そんなことを考えているとアリーナの方から大きな歓声と地鳴りが聞こえてきました。どうやら一般生徒の参加が始まったらしい。
やっぱり行かなくてよかった。参加人数は学園のほぼ全ての女子生徒。正直その中をもみくちゃにされて無事でいられる自信はありません。

―IS反応を確認、警戒態勢―

「え?」

 『デザート・ストーム』からの警告音に思わず声を漏らす。位置は……反対側の更衣室? でも……この、IS反応は!

―データ照合完了、『アラクネ』―

 やっぱり福音の時のIS! なんで学園内に!? とにかく先生に連絡を……

―広範囲ジャミングを確認、連絡不可、『アラクネ』ロスト―

 よからぬことを考えているのは確かみたいですね。私はドレス姿のまま更衣室を出て反対側の更衣室に向かう。まだ一般の生徒も大勢いますし、せめて何が起きているのか確認だけでもしておきましょう。
 反対側の更衣室の前に辿り着くけど扉が開きません。

―システムロックを確認、開錠不可―

 開錠不可って……それってどういう……
 その瞬間更衣室の中から炸裂音が響き渡りました。続いて銃声と破壊音が分厚い扉越しに廊下に響き渡る。私はそれを聞いた瞬間ISを緊急展開。ドレスが量子化しISスーツに包まれ、一瞬後にISの装甲が身を包んでくれる。
 何が起こっているか分からない。でも何か起こっているのは確か。なら……

―『イェーガン』展開―

 ヒートランスを展開すると先端を扉の上部に押し付け、出力最大で一気に扉を溶断する!
 真っ白な炎と共に鉄の扉が押し付けた部分からゆっくりと解け始める。そのままヒートランスを横に、下に、上に、最後に横に四角になぞる。真っ赤に赤熱した扉を思いきり蹴る、蹴る、蹴る!
 3回蹴ると扉は耐え切れずに内側に吹き飛んで道を開いた。
 中に入ると天井の照明は落ちていて非常電源に切り替わっており、更衣室内は薄青く光っている。その中心にいたのは黒と黄色に塗装された8本の装甲脚を持つ蜘蛛のようなフルフェイスのIS『アラクネ』と……





床に倒れ伏して血を口の端から流す一夏さんがいた……



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