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銀河英雄伝説〜悪夢編
第四十七話 俺はロリコンじゃない!
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うという事らしい。いかにも女性らしい感性の命名だと思う、それにかなり慎重になっている。今回の内乱で権力の持つ恐ろしさ、自分達の血の持つ危うさを認識したという事だろう。良い傾向だ。

パーティーは十分に上手く行った。俺はあの二人の夫人に丁重に挨拶したし挨拶した順番も一番最初だ。話していた時間も十分以上は有った。誰が見たって俺があの二人、そして二人の令嬢に気を遣っている事は理解できただろう。あの二人だって満足そうにしていた。力は無いが政府から一定の敬意を受ける名門貴族の誕生だ。

俺だって努力した、あの時は軍服じゃなくてロココ・スタイル? そんな感じの服を着てパーティーに参加したんだ。軍服だとあのガイエスブルク要塞での事を思いだすかもしれないからな。向こうに不快感とか恐怖感を与えては意味が無い、だから慣れない服を着た。ミュラーに言われたよ、軍人には見えない、何処かの貴族の若殿様みたいだって。全然嬉しくなかった。だがそこまで努力したんだ、上手く行って貰わなければ困る。

あの両家が満足してくれれば少なくとも帝国内で反政府勢力の旗頭に使われることは無いだろう。それと他の貴族達にも必要以上に俺が貴族を迫害することは無いというメッセージになるはずだ。俺が連中に理解して欲しいのはこれまでのような特権は許さないという事だ。節度を守り政府に協力するなら問題は無い。後はあの両家が俺に協力してくれれば他の貴族達もその辺りを自然と理解してくれるだろう。

執務室にアンスバッハ、シュトライトの二人が入って来た。口を開いたのはアンスバッハだ。
「御多忙の所、恐れ入ります」
「いえ、構いません、何か有りましたか?」
「先日のパーティーでは。シュテルンビルト、ノルトリヒト両子爵家に色々と御配慮頂き有難うございました。子爵夫人達が最高司令官閣下に大変感謝しておりました」
やはり御礼言上か。

「両子爵夫人にお伝え頂きたい。丁重な御挨拶、痛み入ります。これからも政府への協力をお願いしますと」
「はっ、そう御伝えいたします」
「アンスバッハ准将、シュトライト准将、お二人にも随分と手伝って頂きました、礼を言います。これからも色々と御願いする事が有るかもしれませんが宜しくお願いします」
俺が礼とこれからの協力を要請すると二人とも恐縮したように頭を下げた。

この二人には随分と働いてもらった。あのパーティーが成功したのはこの二人の尽力のお蔭でもある。これからも色々と調整が必要な事が発生するだろう、その都度協力して貰う事になる筈だ。得難い存在だよ、二人とも変な小細工をしない誠実さが有る。こういう調整事は才気よりも誠実さの方が大事だからな、相手に信頼されないと駄目なんだ。

用件は済んだな、そう思ったがアンスバッハ、シュトライト、二人とも帰ろうとしない。二人で顔を
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