暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「それはきっと簡単なコト」
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ながらもティナと一緒にお菓子を食べていた。表彰までまだ時間があるし、どうも強者揃いのAブロックが激戦区と化して予定超過しているそうだ。
「でも意外だったなぁ」
「・・・なにが?」
「祭典ちゃんっていつも何って言うか、真面目で勉強できます!っていうオーラ出してるもん。普通に喜んだり笑ってるところ初めて見たよ?」
「それは、その・・・授業についていくのが大変で、心に余裕が無かったから・・・」
つまるところ、勘違いと勘違いのラリーだったようだ。
元々外見にあまり気を遣っていない祭典は周囲から見れば勉強ばかりでおふざけなしの優等生タイプに映っていたらしく、その祭典が奨める作戦だからてっきり絶対の勝算があるんだろうと勘違いしたティナは必死にこちらの指示を守った、という事だったようだ。結果オーライである。
「もっと簡単に考えればいいんじゃないの?授業に全部ついていけてる子なんてあんまりいないよ〜?」
「えっ・・・そうなの!?」
「知らなかったの!?」
・・・どうにも人付き合いが薄すぎたせいか、祭典の感覚は一般生徒の感覚と大幅にずれていたようだ。完全に空回りして勝手に学校を辞めようとしていた事実に、恥ずかしさで頬が真赤に紅潮する。これからはもっと積極的に人に話しかけようと固く誓った祭典であった。これぞまさに「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というやつか。
「・・・もう少し、肩の力抜いたほうがいいかなぁ?」
「私たちまだ若いんだし、もっと自分に正直に生きようよ。ほら、目の前に自分に正直で可愛い友達がいるよ?」
「・・・友達・・・うん、そうだね。そんな簡単なコトも忘れてたんだ・・・学園に入るまでだって一人じゃなかったのに、本当・・・気付いてみれば私ってばドジだなぁ」
「あれ、可愛いの所スルー?」
この日を境に、彼女の生活は少しづつ”色”に溢れてゆくこととなる。それが、伍和祭典という少女の本当の学園生活の始まりだったのかもしれない。
・・・彼女が「天使」の正体を知る日は、遠くない。
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