暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「それはきっと簡単なコト」
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して会場中に響き渡るジャッジと声援。惜しみない祝福を送ってくる2組の同級生たち。その中心に佇む祭典は、未だに自分が勝利したことを実感できずにいた。既にISを解除したティナがこちらに駆け寄ってくるのを呆然と見つめる。

「やったね祭典ちゃん!一時はどうなることかと思ったけど・・・こんなにぴったり作戦がハマるなんてすごいなー祭典ちゃんは!」
「・・・私達、勝ったの?」

勝ったのだろうか?確信が持てない。実はさっきの放送は別のアリーナの誰かの勝利報告が聞こえただけで、自分はエネルギー切れで負けなんじゃないだろうか?管制塔の誤審で間違いが起きたかもしれないし、何故か視界が歪んで中央モニターに表示される名前が自分のものかどうかも確信が持てなくなってきた。実は自分は居眠りをしているだけで、瞬きすればいつもの冴えない私に戻っているのではないか?ぐるぐるとネガティブな疑惑が頭の中を回り続ける。

「何言ってるの祭典ちゃん?勝ってないなら何でみんな声援贈ってんのさ?」
「じゃあ、私達・・・」
「勝ったよ!Cブロック優勝!表彰されたらお菓子貰えるかなぁ〜?」

その言葉をたっぷり反芻し、咀嚼し、漸く現状がすとんと胸に落ちてくる。そうか、皆は私とティナに祝福を送っているのか。伍和祭典は勝ち残ったんだ。

一度はIS学園で学ぶことを諦めかけた身だった。母校の皆の期待を全て裏切って逃げようとした。
泣き言も言った。言い訳もたくさんした。妥協の道にも逃げた。情けなく涙も流した。
天使さんの言葉が無ければ、もう折れて腐ってたかもしれない。
嫉妬で佐藤さんなんかを恨みながら、延々と後悔の日々を送っていたかもしれない。

でも―――


皆、見てる?お父さん、お母さん、校長先生、学校に居た皆、私の事見てる?

私、諦めてないよ。まだまだ諦めないし、可能性も全然捨てる気はないよ。

私の夢は続いてるから。絶対に終わらせたりなんかしないから。


「勝った・・・勝った!やったぁぁぁーーーーー!!!」
「ひゃあ!?」

私は叫ぶように歓喜の声をあげた。ティナさんがそれに驚いている事も、この光景が大勢の衆人に目撃されていることも憚らず、目のうちにいつの間にか溜まっていた涙を流して両手(もろて)を空に振り上げた。

信じる者は救われる。その言葉が本当に正しいかなんて誰にも分かりっこない。
でも、きっと。信じることによって生まれるものは、確かにあるんだろう。



 = = =



「もう、びっくりしたよ?試合とか控室では「勝って当然!」みたいな顔してたのに・・・」
「ご、ごめん。実は全然自信なかったんだ」

控室に戻ってから無性に自分の行いが恥ずかしくなってきた祭典は、「そんなこと思われてたの!?」と内心驚き
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