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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「それはきっと簡単なコト」
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。自分が相手を追い詰めているという慢心が作り出した隙を、2人は決して見逃さなかった。
初心者はIS戦闘において射撃武器を使いたがる。理由は言わずもがな剣より銃の方が熟練度を上げやすく、敵に接近せずに低いリスクで攻撃できるからだ。しかし、剣にも大きな利点があった。実弾のライフルは打鉄の装甲に弾かれたり、当たってもそれほどの致命傷にはなりにくい。なぜなら実弾は速度こそあれ一発一発の質量は大したことが無いので、弾丸一発辺りで削れるエネルギー量はそれほど多くないからだ。
対する剣は当てる事こそ難しいが、一撃でも直撃させられれば、その刃による摩擦が生み出す殺傷力を打ち消すためにより強力な絶対防御を張らなければならなくなる。
だから、初心者同士での戦いは接近戦をどの程度こなせるかで逆転できるかが大きく左右される。ISの操縦才能が無いなりに、祭典が参考書類をひっくり返して考えに考え抜いた一手であった。
そして、残念ながらラファールに乗った彼女はもう一つミスを犯した。
「この、ただではやられないわよ!」
地表を転がりながらもなんとか武器を展開しようとする対戦相手。展開されるライフルが量子状態から固定化される―――その直前に、ティナの近接ブレードがラファールの手を弾き飛ばした。
「あ―――」
「終わりだよ・・・」
ライフルの銃身下部に装着されていた単発式グレネードが呆然とする対戦相手を爆炎で飲み込んだ。残存シールドエネルギー0、リタイアだ。
彼女の犯したもう一つのミスは拡張領域の広さと使いやすさにつられてラファール・リヴァイブという機体を選んでしまったことだろう。そも、この速さが求められるタイミングなのに、展開速度も速くないクセして大型のアサルトライフルを展開しようとすることがおかしい。より展開速度を短縮できるハンドガンを選べば1、2撃位は当てられたかもしれないのに。豊富な武装に目を曇らせ、武器選択と言う重要なピースを欠落させたのだ。
武装や弾薬を多く積める事と、それを自分が使いこなせるかは別の話だ。さらに言えば装甲の堅牢さなら打鉄が大幅に上回っている。ラファール・リヴァイブは本当は中級者向けのISであることに気付けなかったのが、彼女の最大の判断ミスだったろう。
「あと、あともう少しで優勝だったのに・・・!?やっぱりあんな子と組まなきゃこんな事には―――」
「そう言ってるから勝てないの、分かんないかな」
「こんなこと言いたくないけど・・・今のあなたとっても見苦しいよ?」
そして互いの技量が拮抗しているならば、数が多い方が勝利するのが戦いの定石。残された相手にそれを覆す札は、残念ながら手元に存在しなかった。
≪試合終了!勝者、伍和、ハミルトンペア!!≫
アリーナ内部放送を通
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