Mission 8 実力の差
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きな相手や、隙のある相手には幾度となく使用してきたある種、切り札とも呼べる技。ブースターの加速力によりその斬撃のスピードと一撃の重さは以前より増している。
シャルルにヒットし、二回三回、次々と斬撃を与え接地と同時にゼロナックルを叩きこむ。
「ぐっ! なんっ!?」
ゼロナックルで、絶対防御を無視しシャルルを掴みメインウェポンをリコイルロッドに変更する。
そして、ゼロ自身が自分でも驚く速度でそれをシャルルへとぶつける。
ガンッガンッガンッ、と激しい衝撃音が響き、同時に派手な火花すら散る。本来ならばリコイルロッドの衝撃で飛ぶ筈のシャルルだが、ゼロによって拘束されているので吹き飛ぶ事すら許されずに一方的に殴られる。
激しい衝撃とノックバック、そしてそれに伴う引き戻される際の揺さぶりにより、シャルルの特技と得意な戦法すら封じられ反撃の手立てさえ無い。
「ぐっ! がぁっ! ぅう!!」
「…………ふぅ……」
そんな中衝撃が少し止んだ隙になんとか体勢を立て直し、ゼロに銃口を向けるシャルル。
シャルルは気が付いていなかった、ゼロの握っているリコイルロッドの周りにオレンジ色の光が纏われている事を。
シャルルは忘れていた、ゼロの決め手や必殺の一撃はいつも一拍置くように隙がある事を。
シャルルには気が付ける訳がなかった、ゼロの頭の中に澄んだ音が響いていた事を。
「これで……終わりだ……!」
彼が引き金を引くよりも僅かに早くゼロの腕が振るわれた。
シュピンッと、止めていた栓を外すような音がシャルルの耳にも届いた。
そして、ここまでで最大の衝撃と最高のダメージを受け、シャルルは吹き飛ばされた。
「〜〜〜〜っ!!」
声にならない悲鳴を上げそのまま慣性に乗り、アリーナの壁へと叩きつけられるシャルル。
衝撃に耐えきり、両目を開いて前を見据えると、既にゼロが目の前に居た。
彼は両手でゼットセイバーを大上段に構える。その構えを見たシャルルは思い出す。
クラス対抗戦の時に見せたおそらく彼の最高打点であろう斬撃。シールドと絶対防御すら貫通しISの装甲をそのまま砕いてしまうほどの斬撃。
既にシャルルのシールドエネルギーは危険域を知らせるアラームが鳴っている。
「(早く、早くここから動かなくちゃ)」
頭では理解しているが、ここまでの圧倒的な力量差がシャルルを竦ませる。
自分だって、ISの鍛錬はしてきた。そこらの生徒とは比べ物にならないほどの練習を。なのにもかかわらず、動かしてから一年、ましてや下手をすると一ヶ月にも満たないゼロに蹂躙されている。
その事実がシャルルのプライドを完膚無きまでに叩きつぶし、立ち上がる根性すらも奪い取る。
太陽を背に立っているゼロの顔は逆光で窺えない。それもまた、シ
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