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IS クロス Zero 〜赤き英雄の英雄伝〜
Mission 8  実力の差
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「直線的な弾丸ならばっ!」

 サブウェポンをシールドブーメランに変更し、メインウェポンをトリプルロッドにするゼロ。左手に構えたシールドブーメランを前に突き出し弾丸を弾きながらトリプルロッドを隠す様に右手を後ろに引く。

「(シールドバッシュ? あんなこと本当にやる人いるんだ。ガルムじゃあ、相性悪いかな)」

 アサルトライフルを撃ちつつ、空いている片手に近接ブレード『ブレッド・スライサー』を展開し、ガルムをレイン・オブ・サタデイに変更する。
ショットガンの弾丸を前方にばら撒きつつ、ブレッド・スライサーで近接戦闘を狙いに行く。

「(衝撃の質が変わった。拡散弾に戻したのか。このままでは、押し切られるな。ならば、俺らしく……避けよう)」

 瞬間加速(イグニッションブースト)を使い、瞬間的に真下へ落ちる。

「落ちた!?」

「落ちては無い。落下からの接近だ」

 そして接地すれすれでもう一度、瞬間加速(イグニッションブースト)を使用し、シャルルの目の前へと現れる。おそらくこの行動を他の生徒がしたならば、瞬間的な激しい上下運動によりかかる衝撃で胃の中の物を戻してしまうだろう。
驚き、隙の出来たシャルルにトリプルロッドを突き出す。混乱しつつも咄嗟の判断で後ろへ避けたシャルル。
 ゼロは楽しそうに、口元を緩めながらトリプルロッドの特性を使用する。

「アクセル!」

 ゼロがそう叫ぶと、トリプルロッドが火花のようなエフェクトを散らしながら『伸びた』。当然、そんな事少しも予測していないシャルルは防御態勢も取れずに直撃する。
これが、トリプルロッドの特殊能力『リーチ延長』。三叉槍でないのにトリプルロッド、その理由はこの武装は長さが『三段階』あるからだ。
つまり、今回は二段階目だがもう一段上があるのである。

「なに、それぇっ! 反則じゃない!?」

 驚きつつも弾丸をばら撒く事を忘れないシャルル。そんなシャルルを楽しそうに追うゼロ。
二人とも、武装を取り変えながら近距離、中距離、遠距離と様々な距離を戦う。
 エネルギー切れという概念がなければいつまでも続きそうな追いかけっこを、傍目から見ても楽しんでいるゼロから終わりを告げる。

「そろそろ、終わりにしよう……」

「え!? また、消えた?」

 ダッシュと瞬間加速(イグニッションブースト)を巧みに使用し消えたかのように、シャルルの後ろ側に回り込み、メインウェポンをゼットセイバーに変更し構える。平行してサブウェポンをゼロナックルに変更する。
シャルルとの距離を一瞬で縮めゼットセイバーを両手で振り下ろす。断続的にブースターを小さく吹かし、自分を軸に縦回転する。上手くいけば瞬間的に連続した斬撃を浴びせる事が出来る技能『回転切り』。
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