龍殺しの実を求めて
明星の英雄
グノーム火山組A
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ひとしきり言い放ったあとあたりを静寂が包んだ。
ハイドがうつむく。
「そう…だよなあ。ああ、そうだよ。俺はバカな狩人だ。
俺にはお前がいた…。すまねえガイル。」
その瞳には涙があふれていた。
「おお、そうだとも。見ろ、あの樹の下。」
そういってガイルは千年杉の方向を指した。
ダイラスもつられて振り返る。
「見てみろあのすがすがしい笑顔。お前を信用してない限りあんな笑顔は出せんぜ。」
樹の下にいたのは、まだ幼い頃のダイラスと母。
母はどこか寂しげな、しかし元気一杯の笑顔。
幼い頃のダイラスは無邪気な笑顔で手を振っていた。
「そこで廃りきってる腐れハンター!てめえらがそんなに腑抜けてていいのかぁ?
てめえらはこの村を『守り』てぇんだろ!?だったら最後の一滴振り絞るぐらい力を出してみろよ!
それで散ったなら狩人冥利につきるってもんだろうが!」
ガイルの言葉に、ハンター達は一斉に生気を取り戻した。
クエスト出発口にガイルが立った。
「さあ、バリスタでも撃龍槍でもなんでも使ってやろうぜ。」
「おう!後で轟酒おごれよ?」
「あーあーわぁってるよ。言いだしっぺが轟酒おごんのがルールだろ?
てーか言いだしっぺお前だろうがハイド!」
「ハッハッハ、ばれたか。」
そう言いながら多数のハンターが去っていった。
「オヤジ…。っ―――」
ダイラスの意識がまた薄れた。
「―――ラス、おいダ――ス。しっかりしろおい!」
覚醒を促す声。重い瞼を開けたダイラスの目に飛び込んだのは
「おお、良かった。ったく心配したぞ。」
「エイジ…さん。」
ボロボロになったグラビドXシリーズを装備しているエイジ。
その周りにはカーネロスやノア、マトレガも居た。
「ビックリしたぞ。ヤツのブレス跡に駆け寄っていきなり倒れたんだからな。」
陸海空覇剣【孤高】を背中にしまったカーネロスが一言。
「私もそれを聞いて驚きましたよ。」
ノアもそれに続く。
「いやぁ、もう大丈夫だよ!ほおらこの通り…っ!」
勢いよく立ち上がろうとしたダイラスだったが急に力が抜けその場にへたり込んだ。
「…ダイラス、ムリは禁物。」
「お、おう…。」
マトレガが初めて二語文を話したので周りはシーンとした。
「ダイラス、その手はなんだ?」
「ん、あれ?」
エイジに指摘されてダイラスは自身の左手が何かを握っていることに気づいた。
ゆっくり開くとそこには
「何だこれ…?見たこともねえ。」
「こいつは驚いた…。」
鈍く、だが綺麗に光る何かがあった。
「これはどこで手に入れた
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