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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
銀の戦騎vs青き槍兵 ─解放されし宝具─
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トル離れた位置に突き刺さる槍を見届け、宙に視線を戻すもランサーは既にそこには居らず。

 至近距離から突き刺すような殺気。
 何も考えず直感に身を任せて、身体を捻っての回避行動を取る……!

「くぁッ、あぁ……!!」

 右肩を貫通する槍。

 不治の呪詛を孕むその槍を後退することで肩から引き抜き、崩れた体勢のままフェンサーは魔術を放つ。

sprengen(爆ぜろ)──!!」

 叫びと共に青の槍兵がいる空間が爆裂する。

 それを持ち前の敏捷性で躱し、安全圏まで退避したランサーは笑っていた。

「チッ、外した、か……必中が、信条、なん、だがな」
「っ……当たってはいるじゃない。残念ながら殺せなかったみたいだけど」

 肩の傷を押さえながら、ランサーに返事をする。

 宝具の一撃の後にそのまま二撃目を当てに来たランサーだが、フェンサーの宝具を躱し切れたわけではない。

 額と右脇腹、左大腿部を主に、身体には浅くはない裂傷がある。
 隙間を空けて凌いだが、防ぎきれない衝撃で肉が裂けたのだろう。

「ここらで痛み分けにしとかねえか。このまま続けたら、よくて相討ちになるぞ」
「そうね……貴方、無駄にしぶといみたいだし」

 決して軽傷ではないはずなのだが、ランサーはまだ戦える状態であるのが見て取れる。

 マスターが居ないので治癒も支援もなく、このまま孤立無援で戦っても無意味に死ぬだけ。
 そうなっては得をするのは他のマスターだけなので、確かにここは分けにするのが最善だ。

「いいわ。貴方が先に帰って。気配を感知できなくなったら、私もマスターの元に帰るわ」
「いいぜ。じゃあな、フェンサー。今度は本当に本気で殺し合い(踊り)たいもんだ」

 性懲りもなくそんなことを言って、槍兵は夜の闇へと消えていった。










 4km範囲内からランサーの気配が無くなった。

 フェンサーは深く溜め息を吐いた後、その場にペタンと崩れ落ちた。

「はぁ…………レイジ、やっぱり貴方がいないとダメみたい」

 圧倒的に有利な状況から引き分けにまで持っていかれた。
 十分に勝機はあったにも関わらず、勝利することが出来なかった。

 損耗具合ではランサーの方が酷い状態だったが、実際に戦い続けていたらどうなったか分からない。

 それはきっと、戦闘経験値で彼に負けているからだ。
 踏んできた場数が違うので、相手の方が一枚上手だったということなのだろう。

 宝具を放って敵の攻撃を避けて、そのタイミングで心に隙が出来てしまった。
 対処し切った、よし、次の対処をしよう、といったように、よし、のところで襲撃されたのだ。

 身体中の細か
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