暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
銀の戦騎vs青き槍兵 ─解放されし宝具─
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 彼女の持つ宝具は知っている。故に真名解放をした一撃が神速であることも。

 故にここで肝心なのは、本気でこの槍を振るうこと(・・・・・・・・・・・・)にある。

 彼のマスターが下した生還命令を守るには、全力の迎撃、全霊の一撃が必要である。
 だというのに、本気で戦うという行動が令呪の命令不履行とみなされ、元々掛かっていた制約を更に重くする。

 圧倒的に不利な戦況。

 それでもランサーに諦観の様子はない。
 自分が死ぬはずがないと確信しているかのように、精悍な顔でフェンサーを睨みつける。

「ッ────!!」

 そして、ランサーが走り始めの一歩を踏み出した瞬間に。

聖遺物・概念実装(ミスティック・ディヴァイナー)────真名解放(ノウブル・ファンタズム)!!」

 抜刀前のような下段の構え。
 剣から再び、白銀の極光が解き放たれる。

 その極光を全身で浴びるかのように、ランサーは遥か上空へと舞い跳んだ。





 互いに充溢したマナが空間を軋ませ、まるで大気が哭いているような錯覚さえある。
 極大の魔力の解放を前に、月明かりさえ凍りついたような霊気を空の闇へと湛えている。

 二人の双眸が相手の心臓を射貫くように鋭さを増す。





 遂に解放される、己が宝具の真名──────!!





突き穿つ(ゲイ)────」
誓約された(クラウ)────」



「────死翔の槍(ボルク)!!!」
「────不敗の剣(ソナス)!!!」





 夜天より来る流星のように、地上へと墜ちる朱の槍。

 地を穿ちクレーターさえ作り出すであろう死の槍を迎え撃つは…………

 太陽の神王が持つ、不敗と謳われし白銀の聖光──!





「うぉお、おぉおおぉぉおおおおおッッッ!!」

「はぁあ、あぁああぁぁあああああッッッ!!」





 不敗の剣の一撃は、槍もランサーも容易く飲み込み消し去るほどの極光の奔流。

 ただの槍の投擲だったなら、一瞬で勝負は着いていただろう。

 しかしその極大なる魔力の奔流を突き破るように直進する槍。
 ランサーはそれによって生まれた隙間に身を置くことで、白銀の聖光を回避する。

 そして朱槍の流星はそのまま、フェンサーの心臓目掛けて落下する……!

「くぅっ……!」

 そう簡単には突破はさせない。
 威力も必中の概念すらも相殺して、落下(飛翔)の勢いさえ失った槍を避けることは容易い。

 互いに宝具を放った技後硬直はある。
 それを押して足を動かし、フェンサーは心臓を目指して墜落してきた槍から逃れ得た。

 数メー
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ