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勇者番長ダイバンチョウ
第6話 男は死ぬまで男を貫く! 古き極道の古き喧嘩道
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炎を浴びながらもレッドは意に返さず一歩ずつホウカ星人に向かい歩き出して来たのだ。
【な、何故だ! 何でお前は黒こげにならないんだ!】
【当たり前じゃ! このワシに、その程度の炎が効く訳ないじゃろうが!】
【そ、そんな馬鹿な! 2万度だぞ! 2万度の火炎を受けて全く動じない筈がない!】
【温度なんざ関係ないんじゃ! この体になったその日から、紅組の一員になったその日から、わしの炎との戦いは始まったんじゃ! おまんのちんけな炎で黒こげになる程、ワシの体と魂は柔じゃないんじゃぁぁ!】
 炎の中から現れたのは怒号の表情を浮かべているレッドの姿だった。その姿にホウカ星人は恐怖しだす。その直後であった。突如ホウカ星人の足元が崩れだし、下半身が地面にめり込んでしまったのだ。
【な、何だこれは! か、体が埋まっていく?】
【おぉっと! ついつい彫りすぎちまったみてぇだなぁ!】
 声と共に地面から現れたのはあのドリル番長であった。どうやら地面をひたすらに掘っていく内にその穴に引っ掛かってしまったのだろう。何はともあれ、これでもう奴は逃げる事が出来ない。
 そんなホウカ星人の前で、レッドは腕をバキバキと鳴らし始めた。
【覚悟は出来とるじゃろうなぁ……こんの放火魔がぁ!】
【ひぃぃ! い、命だけは……命だけはお助けをぉ〜〜】
 完全に戦意を喪失してしまったホウカ星人。そんなホウカ星人の頭を鷲づかみにした後、猛烈な勢いでレッドは遥か上空へと投げ飛ばした。
【これに懲りたら二度と来るんじゃねぃ!】
 この言葉を添えて。猛烈な勢いで投げ飛ばされたホウカ星人はそのまま宇宙へとぶっ飛んで行った。と言うそうだ。
【ふん、暫く振りの喧嘩じゃけぇワシも随分甘くなったのぉ。さてと、そんじゃ消火じゃ消火じゃぁ!】
 意気揚々とレッドは消火活動へと移った。そんなレッドを見た後、ドリル番長はバンチョウの元へと歩み寄ってきた。
【よぉ、大丈夫かぁ?】
【へっ、久々だったせいか良い所を全部持っていかれちまったみてぇだな】
 ドリル番長に肩で担がれるようにして立ち上がるバンチョウ。今回はレッドに活躍の場を持っていかれてしまったようだ。
 だが、そのお陰でまた一人心強い味方が増えてくれた事になる。
 かつて宇宙を震撼させた天下無敵の極道にして、今は炎に喧嘩を売る紅組の一員。
 その名はレッド。そう、彼こそ燃える炎の番長【レッド番長】なのだ。



     つづく
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