暁 〜小説投稿サイト〜
悪魔が下僕
悪魔が下僕
[1/4]

[1] 最後

 *劇場版・反逆の物語のネタを使った二次創作です。
  まだ映画を見ていない、ネタバレ嫌いな方はブラウザバック推薦







     ●







 魔女を超え、魔法少女を超え――。

 宇宙を書き換え世界の全てを作り変え、インキュベーターを使い走りにしてボロ雑巾になるまで働かせ、今この世界には美樹さやかや巴マミ、佐倉杏子が全員とも生存している。それどころか鹿目まどかも普通の少女として生活し、円環の理としての自分を忘れているのだ。
 といっても、力の断片をもぎとったにすぎない。円環の理自体は残っていて、魔法少女が魔女化する心配はないままだ。
 そして。
 超越的な力を手にした私は悪魔を自称したけれど、私という存在は実は前々からマゾだったのか。それとも、悪魔となったからといい、必ずしもサディストの女王のように振舞えるわけではないものなのか――あるいは鹿目まどかが本当はサドなのか。

「ほら、お散歩だよ? ほむらちゃん」
「え、ええ……」

 首輪を巻かれた私はチェーンを引かれ、ペットの犬のようにされている。夜中の公園を一糸まとわぬ姿で徘徊させられていた。
「わん。って、言ってみて?」
「……わん」
「駄目だよ? ほむらちゃん。そんな淡々とした棒読みじゃ。もっと犬らしく、それっぽい声で鳴かないと」
「わ、わん!」
 私は精一杯の演技で犬のように振舞った。インキュベーターの前ではそれこそ悪魔の微笑みをこぼしてみせた私だというのに、まどかの前ではこんな扱いを良しとして、何もかも受け入れてしまっている自分がいる。
 ただ首輪を巻かれるばかりか、全裸でしかも四つん這い。どこで購入したセットなのか。ご丁寧に犬耳を頭に乗せ、お尻の穴には尻尾を植え込まれてしまっている。今のまどかにとって、私は本当に犬に等しい存在なのかもしれなかった。
 私としても、まどかのためなら痛みさえも愛おしい。
 恥辱さえも愛おしい。
「もう一回」
「わん!」
 この屈辱的な扱いが私の体を熱くさせ、下腹部に甘い痺れをもたらしている。愛液が滲んでくるのも時間の問題だ。一体どちらが女神でどちらが悪魔か。自分の変態的性癖をほとほと自覚させられる。
「なんだかね。ずっとこういう日を待ち望んでいた気がするんだ」
 まどかは語る。
「初めて会った時のほむらちゃんには戸惑ったけど、なんだか初めてっていう気がしなくて。本当はずっと前から友達だった気がするんだよね。とっても不思議な感覚だけど」
 それはそうだろう。
 私にとっては昔から、ずっと親しい存在だったのだから。
「でね? ずっとこういう関係だった気がするの!」
 まどかはさも元気な笑顔を振り撒き、楽しそうな表情で私の首輪を強く引っ張る。
「わ、わん!」

[1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ