第二章 [ 神 鳴 ]
十九話 祟り神の憂鬱
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いた。ああしていると近隣諸国に畏れられている祟り神には見えないな。
「お父様は此処に居ていいの?」
何時もの様に僕の膝の上を占拠していた紫がそんな事を聞いてくる。
「ん〜今日の目的は諏訪子と民の親睦なんだから僕は何もしなくていいの」
紫の頭を撫でながらそう返事をする。事実、僕のやる事と言えば祭りの準備位だったから始まってしまえばお役御免なのだ。
「それに最近ゆっくり出来なくて紫に構ってあげられなかったしね」
「もう、お父様ったら甘えん坊ね。しょうがないから一緒にいてあげる♪」
「ハハハ、そうくるか。まぁいいけど」
紫とそんな風にじゃれていると楓がフラフラしながら歩いてきた。なんだろう…なんとなく眼が据わっているような…。
「虚空しゃん!こんにゃ所にいたんですか!」
何故か突然怒鳴られてしまった。それに今、口調がおかしくなかった?
「わしゃしが働いている時ににゃにをしてるんですか!諏訪子しゃまは何処?」
「諏訪子ならあっちに…」
「しょうです!諏訪子しゃまは可愛いいんです!お酒あります?」
「これでいいかい?」
「わしゃしは餡子は粒餡がいいです!何でここに居りゅんですか?」
「「 会話が成立しない!! 」」
二人揃って叫んでしまった。普段の楓からは想像もつかない酔い方だ。ここまで酔っているのは見た事が無い。
今気付いたけど楓の後ろで早希がしてやったりみたいな邪悪な笑顔を浮かべていた。犯人お前かい。
「無様!無様ですー!そのままもっと恥を晒すがいいですー!」
日頃の恨みでも溜まってたのかな?
「ん〜皆で集まって何してんのさ?あたしだけ除け者?」
何時の間にか諏訪子がこっちに来ていた。
「あぁ諏訪子、実は楓が「諏訪子しゃま!!!!!」
僕の台詞を大声で遮り、楓は凄い勢いで諏訪子に飛び掛った。
「諏訪子しゃま!諏訪子しゃま!諏訪子しゃま!諏訪子しゃま!」
諏訪子を抱きしめ頬刷りをする楓。
「ちょ!楓ヤメ!早希でしょ!楓こんなにまで酔わせたの!」
「私は知らないですー。楓様が勝手に酔っ払ったんですー」
早希は悪びれもせずそんな事を言う。すると何故か楓が急に大人しくなった。
「か、楓?どったの?」
急に静かになった事が不安なのか諏訪子が恐る恐る問いかける。
「…我慢できません…諏訪子しゃま、いただきます!!」
「セイ!」
「ぐふ!」
押し倒そうとした楓に諏訪子は躊躇無く当身を入れ気絶させる。そして諏訪子は気を失った楓を早希に押し付けた。
「いい、責任持ってあんたが面倒見なさい!」
「ええ〜!気が乗らないですー」
「早〜希〜!
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