臨海学校 前編
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ことなくただ呆然とした様子だ。しかし、
「まだだよ響!!」
凛とした声と共にシャルロットが弾道の先に回りこみレシーブの体勢をとる。それに気付いた響は慌てて声をかける。
「やめろシャルロット!! その球はお前の細腕じゃ無理だ!!」
「大丈夫!!!! 僕を信じて響!!」
力強く宣言された言葉に響は強く頷いた。シャルロットもそれに頷き返し、打球を捕球する。
「くぅぅぅぅっ!!」
……こんな重い打球を響は打ち返してたんだ。……だけど僕も響を勝たせてあげたいから、こんなことで負けるわけには!!
「いかないんだあああああ!!!!」
シャルロットは力強い咆哮と共に、レシーブを放つ。
ボールは絶好のスパイクの地点に上がった。
「行って!! 響!!!!」
「おう!!」
……シャルロット、お前の思い受け取ったぜ!!!!
「うおおおおおおおりゃああああああああ!!!!!!」
一際大きい咆哮と共に渾身の力をこめた打球が千冬のコートを抉った。
「ゲームセット!! 勝者、鳴雨響チーム!!」
セシリアの宣言と共に、ギャラリーの歓声があがる。それと同時に響も仰向けに倒れた。
「……つかれた」
「お疲れ様響。ああ、お前もナイスガッツだシャルロット。最後レシーブサンキューな」
響とシャルロットは互いに握った拳をあわせる。
すると、千冬が拍手をしながらやってきた。
「見事だお前達。またできればまたやりたいな」
「それだけは勘弁。次は勝てる気がしないっすよ」
「フッ、そうか。ではまたな。ほお前達も散った散った! これ以上は見るものもないぞ」
千冬は周りの生徒達に散開を促した。それに呼応するように、周りで騒いでいた生徒達もぱらぱらとしていく。
響はそれを確認することはなく、大きく息をはいた。
それを心配してか、ラウラとセシリアが駆け寄る。
「大丈夫ですか響さん!」
「大丈夫だけど……疲れたー……」
「ほら響、シャルロット、水分を取っておけ。さすがにこの炎天下でアレだけ動けばきついだろう」
ラウラはよく冷えたスポーツドリンクを響とシャルロットに手渡した。響はそれを受け取ると、がぶがぶと飲み干した。それだけ喉が渇いていたのだろう。
シャルロットのほうはゆっくり飲んでいるものの、飲む口を休めていなかった。
「いやー……生き返った。 ありがとなラウラ」
「気にするな。それよりも凄かったな戦闘ではなかったが、あの教官を倒すとは」
「ああ、それは私一人の力じゃねぇよ。シャルロットがいてくれたからだ」
響はシャルロットに向き直ると彼女の頭を優しく撫でた。
「さっき
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