臨海学校 前編
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ャップが感じられた。
「うぅ……笑いたければ笑え……」
ラウラは相当恥ずかしいのか顔を真っ赤にしたままうつむいていしまう。しかし、響は笑うことはせず、
「いいじゃん。私は可愛いと思うぜ? 普段の堅苦しいカッコから比べると全然いい」
「そうだな。お前がそんな格好をするとは思わなかった。私も似合っていると思うぞ?」
響の意見に同意するように千冬も頷く。するとラウラは先ほどよりももっと顔を真っ赤にして固まってしまった。
「よかったねラウラ」
シャルロットが褒めるものの、その言葉も聞こえているのかいないのか。
響の後ろでは水着の上をつけ終わったセシリアが立ち上がる。
すると、
「おーいひーちゃーん! ビーチバレーやらなーい?」
「ビーチバレーか……いいぜ。あ、そうだ。織斑先生、勝負しません?」
「フッ、いいだろう」
響の誘いに千冬は小さく笑うとそれを了承する。二人の間にはバチバチと火花が走っていた。
「ゲームはどうします?」
「手早く終わらせるために12P先取でいいだろう。どちらも11Pになった場合も12Pで終了だ。構わんな?」
「上等」
コート内に立つ響と千冬。二人の間には何人も寄せ付けないオーラが漂っている。
メンバーは響のほうはシャルロット。千冬の方は真耶が担当している。
既に周りには多くのギャラリーが集まっている。その中には一夏の姿も見える。
「両チームともがんばれよー!」
一夏が応援するものの、響と千冬はそれを何処吹く風として受け流す。
「でははじめます! 試合開始ですわ!!」
審判の役を命じられたセシリアが高らかに宣言すると、ボールを持っていた千冬がサーブを放つ。
千冬のサーブはかなりの速度のものだったが、響はそれを受け止めレシーブする。レシーブされたボールはいい感じにシャルロットの真上に上がり、彼女もそれを確認すると響とアイコンタクトを交わす。
響がそれに頷いたのを確認すると、シャルロットはそれをネットの方向目掛けてトスをする。それを目掛けて駆け出した響は一瞬で辿り着くと、
「まずは一点!!」
言い放ち、強烈なスパイクを千冬のコートに叩き込む。
そのボールの速度に千冬も真耶も反応することができなかった。
しかし、ボールが入ったところを見てその場にいた全員が驚愕する。
「なに、あれ……」
「ボールが砂浜にめり込んでる……!?」
そう、響の放ったボールは見事に砂浜に突き刺さっていた。
「……まずは一点」
響は静かに告げる。その瞳はまるで獲物を狙う狼のようだった。
「お、織斑先生。どうしましょう、鳴雨さん
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