星屑の覚醒
15 覚醒の予兆
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ための手段はもう手に入れているっていうのに。もう一度、使う勇気がないんだ」
彩斗は悲しそうな顔を浮かべた。
何をやっても中途半端になってしまう自分を恥じていた。
出来る事なら口にしたくはなかった。
だが自然とアイリスには話してしまう。
ミヤと同じだった。
なぜかアイリスとミヤを重ねる。
優しい性格のミヤならここで自分を止めるだろうと彩斗は理解できていた。
視界のアイリスがミヤに見えてくる。
「!?...」
『ねぇ、アキちゃん。もういいよ。やめて。私のことはもういいよ』
アイリスが本当にそう言っているように感じた。
だがアイリスが言ったことは違った。
「確かに辛いことだと思う...でも私の友だちはね、どんなことでも最後までやり抜いた。本当にやりたいことがあるなら、何もかもかなぐり捨ててやり抜けばいい。あの地獄から私を助けてくれたあなたならどんなことでも決断してやり遂げられるはず」
「...決断」
彩斗は例のメールを思い出した。
何かが吹っ切れたような気がした。
特別何か変わったのかと言われればそうではない。
彼女の話し方が何処かミヤと似ていた。
自分なんかダメだと過小評価して前に進めない自分に自身を持たせるような励まし方。
きっと出来る。
そんな希望が胸の中を掴む。
彩斗はゆっくりと深呼吸して立ち上がる。
「....ありがとう。アイリス...ちゃん」
「うん。あっ、そういえば、まだ名前を聞いてなかったわ」
「僕は...サイト。本名は知らないけど、妹が僕をそう呼んでくれるんだ」
「...よろしくね。サイトくん」
彩斗は少しだけ笑いかけると、プラグアウトした。
「兄さん!!大丈夫ですか?」
「ああ」
彩斗は現実空間で意識を取り戻す。
耳が痛んだ。
メリーが何度も鼓膜が破れるほど起こそうとしたのだ。
彩斗は深呼吸をして首を振り、頭を抑えた。
「大変なんです!これを見てください!!」
「ん?」
メリーはTouchSmartを指さした。
例の盗聴システムとの接続は切断されてしまっていた。
「ネットワークがダウンしたので、接続は切れてますけど、最後の盗聴記録が...」
「...くそ」
TouchSmartの画面にはSMSのログの盗聴結果が表示されていた。
デンサンシティ並びに才葉シティのインターネットシステムの破壊に成功。
これより計画を第二段階にシフトする。
Valkyrie本社よりエミッターはデンサンシティ・プライムタウンの第二産業ビル3階倉庫に移送済み。
それは計画が順調に進んでいることを知らせるメールだった。
彩斗は思わず拳を握った。
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