第14話「京都―休憩」
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教師も大変だな」
現在時刻午後11時2分前。幸か不幸か、昨日に寝すぎたせいで、全く以て眠気はない。その場で考えること約5分。
「……」
妙案でも思いついたのか、手をぽんと叩き、呟いた。
「ジュースを片手に露天風呂……」
これほどにいい案はない、と本日2度目の風呂場に向かったタケルだった。
午後11時を過ぎ、本来は生徒どころか教師も入浴禁止の時間に彼女達は風呂場でくつろいでいた。
「ふ〜、いいお湯ねーー」
少々おっさん臭いアスナの呟きに、刹那が苦笑を浮かべた。
「神楽坂さん……まるでお年寄りみたいですね……」
「ちょ、な、なによー、そんなこと言わないでくれる〜〜?」
「す、すいません」
「そもそも桜咲さんだって、さっきおっさんみたいな顔して――「しっ!」
言葉を遮られ、何事か尋ねようとして、刹那の顔が戦闘時のモノになっていることに気付き、アスナも気付いた。
「……敵?」
小声での問いかけに、刹那は短く「まだ、わかりません」とだけ答える。
「〜〜♪――〜♪〜〜〜〜♪」
なにやらリズムを刻んでいるようにも聞こえる。一体だれが、と二人して風呂の岩陰に隠れて入り口に目を凝らす。と、徐々に音も鮮明になってきた。
「――ババンババンバンバン、アビバ……」
「ちょ、ちょちょっと……あれって」
「……タケル先生、ですね」
湯気が厚い上に、岩場に隠れて覗いているため、まだその姿は見えないがその音はどのように聞いてもタケルの声だ。ここは混浴なので男性が入ってくることもありうる。何せ今は、本当は生徒も教師も入ってはいけない時間帯なのだから。
「いい湯だなぁ〜、アハハン♪ いい湯だな〜、アハハン♪」
素っ裸で、片手にジュースのビンを持ち、タオルを頭に乗せて、上機嫌に歌を歌いながら。
ちょっと2人で笑いそうになったのを堪えて、湯気に隠れた人陰を見つめる。徐々に湯気が晴れて、距離も近づき、タケルの姿が鮮明になった、
「きゃ――ムグ」
ネギのソレとは違い、大人になりかけているそのぶら下がったイチモツに、悲鳴を上げそうになったアスナの口を押さえ、刹那が冷静な目でタケルを見つめていた。その目に映っているのは当然、タケルのイチモツではない。
まず、驚いたのは体つき。
服の上からでは単なる中肉程度の男にしか見えないのだが、その実際は違っていた。
筋肉質……という体つきではなく、かといって細いというわけでもない。一番適した言い方としては、余分な肉がないため、筋肉質に見える体。と表現したほうが正しいだろうか。
予想以上に実戦で鍛え上げられた体だといえるだろう。
だが、一番驚いたのはそこではない。
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