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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
デートと監視とほのぼの番外編 〜上〜
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宏助達に手渡した。なにやら麗がニヤニヤしていたのは気になったが・・・・・・
「麗さんそんなに急ぎの仕事が入ったんですかね。」
それとなく宏助は明に問いかけるが、
「多分気を遣ったんでしょうけど・・・・い、いえ。ごほん!いろいろと麗も忙しいのでしょう。」
なにやら焦った様子でぶつぶつ呟いたあとごまかしたように声を張り上げた。
宏助は首を傾げるがなにも明と二人で買い物なんて悪いことじゃない。とりあえず明のほうに視線を向ける。
さっきはSPがいろいろ言っていたのでそれの対処で忙しかったが今日の彼女はいつものコート姿ではなかった。
マフラーや手袋、耳当てはいつも通りだが彼女はカーディガンを羽織っており、なんというかいつもコートの厚い布地に隠されていて然るべきものが遠慮なくその膨らみを押し出している。更に下はデニムを履いていて太腿やなにやらがコートで隠されておらずなにか新鮮な気分がする。
色合いも地味だし、服も地味だが、コートをすっぽりと羽織っていた頃に比べるとかなり進歩した・・・・て、なんの進歩だ俺。なにマジマジとせっかく俺と一緒に買い物に行ってくれるお嬢様の姿を眺め回しているんだ、と自分を責める。
「では行きましょうか?」
「あ・・・・・、はい行きましょう。」
こういう時には役に立つ自分の力。人では一瞬とも数えられない時間で彼女の姿をしっかり見ることが出来る。見つめているとばれない。
そのまま二人は歩き出した。
しかし、何故か彼女の方からこちらに肩を寄せるように近寄ってくるのでその距離感はかなり近かったが。

 若菜麗はそっと二人の様子を伺っていた。
勿論宏助の異常な気配察知能力でばれないように変装をし、眼鏡をかけている。この眼鏡は額縁を弄ることでズームを行えて遠くの景色を伺える。
宏助から無意識下の気配察知能力の範囲は聞いている。今は明とのデートで緊張しているから更にその範囲は狭まっているだろう。
宏助から聞かされた範囲から更にもう少し離れたところで物に隠れながら、眼鏡で歩く彼らを伺う。
そう、これは宏助と明のデートと言っても過言ではない行為だ。
男女が、二人きりで、買い物に、行く。
自分は遠慮して明と宏助の気持ちを汲み取り一旦は本気で二人だけにしようと考えた。しかし、しばらくしていると、彼らのことが気になってしょうがなくなり・・・・、SP達から借りた尾行グッスと共に今、ここにいる。
何故か彼らが変装を提案したときその目を輝かせてまってましたとばかりに既に用意してあった秘書服や網タイツ。髪を団子にするためのピンやその他アクセサリーなどを麗に渡し、全員がカメラを持って激写してきたが、尾行用グッズを貸してもらうための見返りなので仕方がない。
当然サイズは全部合っており、しかし、何故か少し秘書服の胸元がキツメになっていた。
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