ターン29 聖戦!三幻魔〜神の炎、ウリア〜
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「ちょ、万丈目ー!?どこ行っちゃうのさー!!」
「万丈目サンダー!そ、そんなこと俺に聞くな、鍵が勝手に………うおおっ!?」
七星門の鍵に引っ張られながらも律儀に返事をしようとした万丈目の体が、鍵に引っ張られるような形で宙に浮いていく。と、さすがにそこで首に引っ掛けていた鍵の紐に限界が来たらしくぶちっとちぎれて万丈目を地面に落とす。おもりのなくなった鍵はさらにスピードを上げて飛んで行った。
「どうしてこうなったのさ………」
思わずそう呟いて、地面でピクピクしてる万丈目に一発蹴りを入れながら鍵が飛んでいくのをただ茫然と眺めていた。大体これというのも、タイミング的に考えればたぶん万丈目が悪いんだ。あと悪乗りした吹雪さん……いや、10JOINさんと呼ぶべきか。大体あの人だって黙って寝てりゃ普通にイケメンだったのに、なんであんな残念かつ面白愉快な人になってるんだろう。でもモテてるところが妬ましい。
『それ、お前にもある程度同じこと言えるけどな。大人しくしてりゃ背も顔もそこそこだってのに、朝早く起きて畑に水撒いて雑草抜いてから投網をぶん投げに海まで行く高校生ってどんなんだよ』
「そう思うならなんか手伝ってくんない?」
『いや、俺が言いたいのはそういうことじゃなくてだな』
じゃあ何が言いたいんだろう。いや、今はとりあえず万丈目だ。大体こいつが七星門の鍵を持ち出したりするからいけないんだ。明日香に惚れたってのは別にいい。それは個人の自由だし、一言でも言ってくれれば応援だってしただろう。そもそも、僕だってその点では人のことが言えた身分じゃない。問題なのは、吹雪さんとよくわかんない同盟を結んで僕を含めて人様に迷惑かけまくったことだ。
「………とりあえず万丈目、今日の夕飯は絶対作ってやんないからね」
何か足元でもごもご言ってたけど、無視。無視ったら無視。完全に余談だけど、大徳寺先生がいなくなってから僕の忙しさは数倍に跳ね上がった。寮監としてあの人がやっていた雑用をまさかファラオに押し付けるわけにもいかず、十代も万丈目も翔も隼人も今一つこういったことを任せるには信用できなかったので僕が引き受けてたらいつの間にか予算の交渉にまで駆り出されるようになったのだ。僕、まだ生徒なんだけどなあ。
「っと、そんなことより鍵だ鍵!」
慌ててさっき鍵の飛んで行った方を見るが、時すでに遅く何も見えない。えーと、えーと……
「こ、こっちかな!」
さっきまでの方角からある程度の見当をつけて、その方向に走り出す。ああ、これ間違ってたらどうしよう。三幻魔の復活なんてシャレになんない。
タッタッタッ。
『……なあ、清明さんや』
タッタッタッ。
『もしもーし、清明ー?』
タッタッ
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