暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
戦神―古の秘言
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ばあの不可思議な剣筋は出来ない筈だ。

「おお、《剣技模刻》を封じたか。やっぱやるなあ、旦那」
「……ふん、余裕だなッ!!」

大太刀の連続攻撃の合間に腰から小太刀を抜刀、《投剣》を発動する。
刀がシステムのアシストに乗った所でブーストをかけずにリリース。その硬直を大太刀のソードスキルによって上書きする。

「おぉぉぉっ!!」

5連撃OSS《デッドエンド》


投剣術を織り混ぜたその攻撃をハンニャは全て剣の腹で受けきる。OSSの硬直を狙ってハンニャの斬撃が来る、という寸前で彼はバックステップに切り替えた。

「くそ……」
「危ない危ない……っと」

焔鎧のオートガードに弾かれて仰け反っている間に仕留めようと画策していたが、それは寸前で読まれた。おまけに距離を取られるという不始末。

「んじゃ、行くぜ?」

―ギャリン!!

クリティカルポイントが連なる体の中心を守るように大太刀を構え、首とその周りを狙った不可視の斬撃を防ぐ。
しかし、余りの速さに防いだ音は一撃分だった。何発か抜けたらしくHPが7割まで持っていかれたが、致命傷には至っていない。

―――反撃は今しか無い、反転。

大太刀専用突進系ソードスキル《山津波》

長大な射程と高威力が備わったソードスキルがハンニャの無防備な背中に炸裂し、そのまま壁際まで吹っ飛ばした。

確かな手応えに期待が過る刹那の瞬間、腹部に突き刺さった赤銅色の槍がHPを注意域(イエロー)に持っていく。

「くぉ……!?」

ダメージエフェクトの尾を引きながら距離を開ける。本来ならそれは悪手だが、本能が接近がまずいことを仕切りに訴えている。

「ふぅ……効いたぜ。この防具のエクストラ効果に救われたな」

「……説明、してくれるか?」

「いいぜ。この和装の名は古代級防具(エンシェント・プロテクション)黒装神器(ディアボロ・ネロ)』が1つ、《金色夜叉》。能力は一度だけダメージ70%カットだ」

見れば、ハンニャのHPは7割を切っている。あれが決まっていたら勝敗は決していたという事か……。
ハンニャは武具屋、ならば珍しい防具を持っていたとしてもおかしな話ではない。その事に考えが至らなかった俺が次の手を考えていると、ハンニャがふと思い出したと言うように話始めた。



「そう言えば旦那、勘のいいあんたならもう気づいてるだろ?俺を含めた最古参連中が何かを隠しているのを」
「……急に何だ?」




「本当なら決勝まで使わない予定だったんだけどな。その内1つを使わせて貰うぜ、『奥の手』」


ハンニャはレーヴァテインを元の大剣に戻すと、それを空に向かって掲げた。






そして紡ぐ―――黎明期に秘匿
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ