―砂の異世界―
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ディに適うはずもない。
「三沢くん、何やってるの!?」
明日香の驚きを伴った質問には答えず、三沢はその身体を覆っていた白いマントを脱ぎ捨てた。その下は、俺と変わらない蒼いオベリスク・ブルー寮の制服が着られ、その腕にはもちろん――デュエルディスクがついていた。
「遊矢、明日香くん。敵対して来るモンスターを倒すには、俺たちに出来ることはデュエルしかない!」
三沢のデュエルディスクに反応してか、ハーピィ・レディ 三姉妹》を守るように五枚の裏向きのカードが展開する。……いや、あれは自分のことを守るための物ではなく、三沢とのデュエルの為の初期手札……?
「アカデミアに着くまでに決着をつける。デュエルだ、ハーピィ・レディ!」
三沢はデュエルディスクを展開してデュエルの準備を完了させると、ハーピィ・レディに対してデュエルを申し込む。これだけ聞くと、三沢が異世界で生活していたせいで正気ではなくなったのか疑うところだが、その本人は至って真面目な表情をしている。
対するハーピィ・レディもその気なのか、俺たちのバイクにこれ以上接近することはなく、三沢と一定の距離――まさしくデュエルをする際に必要な距離――を保ちながら飛翔していた。
「おいおい……」
理解が追いつかない俺は、バックミラーで状況を確認しながら呻くものの、現実は変わらない。三沢とハーピィ・レディという、種族を超えたデュエルが始まろうとしていた。
『デュエル!』
三沢LP4000
ハーピィ・レディ1LP4000
ハーピィ・レディ2LP4000
ハーピィ・レディ3LP4000
デュエルは俺と明日香とヨハンで行ったデュエルと同様に、トライアングル・デュエルで行われるようだ。ハーピィ・レディたちが同士討ちをするはずがなく、つまり三沢は単純計算で三対一の戦いを強いられることとなった。
「俺の先攻、ドロー!」
先攻を取ったのは三沢。彼は異種族間のデュエルだろうと、アカデミアにいた時と同じように落ち着いてデュエルを開始していた。……この頼れる人間すらいない異世界で、何度もこうやってデュエルしてきたのだろうか。
「俺は《ライトロード・パラディン ジェイン》を召喚!」
ライトロード・パラディン ジェイン
ATK1800
DEF1200
三沢のデッキで戦陣を切るのは光の聖騎士、《ライトロード・パラディン ジェイン》。どうやら三沢のデッキは変わらず、妖怪とライトロードを組み合わせたデッキのようだ。……まだライトロードしか召喚されてはいないが、三沢が妖怪をデッキから抜くはずがない。
「遊矢、前!」
明日香の警告で三沢とのデュエルに集中し過ぎていたことに気づき、岩にぶつかりそうになっていたバイクを強引に右
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