―砂の異世界―
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そうにサンド・ストーンが崩壊する様を見ていたが、腕に付いていたデスベルトが反応し、俺のデュエルエナジーを少量ながら奪っていく。もう回収装置はないと思って油断していたが、ずっしりと身体に倦怠感が襲ってきた。
「火車でダイレクトアタック! 火炎車!」
三沢もハーピィ・レディの群れを倒し尽くしたようだったが、振り向いたその表情には疲労の色が濃く残っている。もちろん三沢にはデスベルトなどついてはいないが、この過酷な異世界で暮らしていて疲労しない者はいないだろう。
「相変わらず無茶をするな、遊矢。サンド・ストーンと戦わずに迂回すれば良かったんじゃないか?」
「そっちこそ、群れを相手にするようだったら一人じゃなくても良かったな」
三年生になろうと異世界に行こうと、変わらない親友のことをお互いに確認し合ったところで、少しだけ疲労を忘れて笑みがこぼれて来る。そんな様子に明日香はため息をつきながら、俺と座る席を強引に変えさせた。
「これからは私が運転するわ。良いわね?」
「……ダメだって言ってもやるんだろ?」
一度言ったら梃子でも動かない明日香を説得するのは、時間もないし疲労も多い。大人しく――名残惜しいものの――座っている席を変わると、明日香がバイクを再発進させた。
最初から手加減無しの全開フルスロットルで発車したバイクに、俺と三沢は並みのジェットコースターでは味わえない恐怖を感じながら、俺たちはデュエル・アカデミアに救助されたのだった。
……この異世界は一体何なのだろうか。そして俺たちは、元の世界に帰ることが出来るのだろうか……?
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