第50話 始動〜解決
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布都「うぅ…太子様……」
屠自古「…」
現在、神子の病床には俺の他に屠自古と布都が居る。神子が倒れてから二日目だが痩せ細っていくばかりである。…正直見てて気が滅入るよ。
神子「----私はもう長くはないでしょう…二人だけでも仙人となってください。」
屠自古「そんな…私たちだけなんてことは出来ません!」
布都「そうですよ!-----なんでこんなことに…」
青蛾が考え事をしている。 そういえば仙人って死んだ後にでも、成れる方法が有ったよな。
青蛾「----まだ方法が有ります!尺解仙となるのがよろしいでしょう。」
尺解仙っていうのは器に自らの魂を込めて、蘇るときに器が体になり、元の体が器と言う形で消滅することでなった仙人をさす。
神子「成る程…!----布都に屠自古、一緒にお供してくれますか?」
屠自古「勿論です!!!」
布都「いつまでも、お供します!!!」
結果を知っていたけど、二人ともええ子やぁ… 神子が嬉しさのあまり目が潤んでいるが、俺もつられそうである。
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青蛾が術式をそれぞれの体となる器に掛けた後、神子はまもなく息を引き取った。 ん?俺?俺はその場を離れた後、先ほど自ら毒を飲んで死亡した屠自古を影から眺めている。 恐らく…否、確実に布都が動くだろうからな。
布都「----皆の仇、今晴らす…!」
「はいSTOP〜」
布都「っ!翔!?」
布都が生焼けの壺を抱えたまま転び、その衝撃で屠自古の壺が倒れて割れた。…ああ、やっぱり。屠自古の壺を長持ちしない生焼けの物に変えるつもりだったか。
布都「み、見逃してくれ!屠自古の死んだ今、我にできる仇討ちはこれくらいなのじゃ----」
「止める気は無い。」 布都「え?」
そんな神主様の決めたことを打破するつもりははなからない。 前に言ったことを思い出してくれ。大事なのは想い。 なら、その想いが伝わればいいんだろう?
「布都、屠自古が布都のことをどう想っていたと想う?」
布都「……。」
「やっぱり知っていたか…。屠自古は口で言わずとも謝罪の意を示し、関係を元に戻したいと想って いただろう?」
布都「----かといって、我はどうすれば…」
「お相子だ。その抱えた壺見なよ。」
布都「あっ、」
抱え込まれた壺に魂は移り、術は既に終了していた。
「そういうこと。 両方が謝罪すればいい。 何なら布都からでも、」
布都「……。」
しばらく布都は押し黙って、立ち尽くすばかりだったが安心したような息を吐き----
布都「---吹っ切れた。そうじゃな、それが一番じゃな!」
---顔を綻ばした。
うん、良い笑顔
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