暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
歌い手、説教をする
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、逆廻君と黒ウサギさんの声も聞こえないようにする。

「お、奏じゃねえか。オマエ、一人で勝手に行くなんて、薄情じゃ」
うるさいよ(・・・・・)、逆廻君。今僕はそんな話をしてないでしょ?」

 軽く笑みを浮かべながらそう言うと、なぜか逆廻君は顔に汗を浮かべながら、後ろに一歩下がる。
 おかしいなあ、僕はただ笑ってるだけなのに。

「あの、奏さん・・・?どうしたのですか?」

 黒ウサギさんが、おっかなびっくり、という感じでそう話しかけてくる。

「いや?僕はただ二人に聞いてるだけだよ?こんなに人がいるところで、あれはやっちゃ駄目じゃないかな?って」

 おや?黒ウサギさんも汗を浮かべ始めたぞ?

「いや、あれをやらないと黒ウサギには逃げられてたわけで・・・」
「うん、なるほどね。ゲームの内容は相手を捕まえる、とかそんな感じだったのかな?でも、それなら他にも方法はあったよね?逆廻君なら、どこに着地するかを計算することもできただろうし、それが駄目でも、人がいないほうに蹴り飛ばすとかさ」
「それは・・・まあ、そうだな・・・」

 逆廻君は渋々といった感じでそう返してくる。
 うん、素直に答えてくれるのはいいことだよ?

「黒ウサギさんも、さすがにあの行動を予想しろ、とは言わないよ。でも、ゲームをする必要はなかったんじゃないかな?」
「いえ、さすがにあの状況でそれは、見ていた人が納得しなかったでしょうし・・・」
「そういえば、騒ぎになってたよね・・・うん、ならそれは仕方ない。大目に見よう」
「ありがとうございま」
「でも」

 僕は助かった、という顔をする黒ウサギさんの声にかぶせるようにして、話を続ける。

「それならもう少しルールを変えるか、場所を変えようか。あの(・・)逆廻君が普通にゲームをするわけがないことくらい、予想がつかない黒ウサギさんじゃないよね?」
「それは・・・はい、その通りです・・・」

 うん、あの逆廻君が素直になったんだから、黒ウサギさんが素直にならないわけがないよね?

「それに、僕が残骸を切り刻んでる間も、何か言い争ってたよね?あんな危険物そっちのけで一体何を話してたのかな?」
「いや、あれは奏がどうにかしてたからやっていただけで・・・」
「奏さんがいなかったら黒ウサギたちが対処してましたし・・・」
「いや、そんな仮定の話はどうでもいいんだよ。それに、僕がただの歌い手なのは知ってるでしょ?そんな僕がどうにかできる可能性は少ないんじゃないかな?」

 僕が一歩近づくと、二人は同時に一歩、後ろに下がる。
 うん?なんで逃げるんだろう?
 とりあえず、座ってもらおうかな?

「そのあたり、二人とも正座で教えてくれる?」
「あの・・・奏さん?まだ目を開け
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