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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第11話:作戦準備
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ーはわずかにその目を見開く。

「ルッツだと・・・」

ミュンツァーは呟くように言うと、自分の前にウィンドウを開き
慌ただしく操作する。
画面の中にはルッツの人事記録が映し出されていた。
その中身を素早く読んだミュンツァーは納得顔で大きく頷いた。

「なるほどな・・・道理で思いつくはずだ」

「どういうことで・・・」

ゲオルグが尋ねようとする声をミュンツァーは遮ると、首を横に振った。

「悪いが話せん。 特秘事項だ」

「ですが・・・」

納得できないゲオルグはなおも食い下がろうとするが、
その声を振り切るかのようにミュンツァーは席を立った。

「ご苦労だった。 シュミット、ルッツには準備を進めておくように伝えておけ」

「・・・はい」

ゲオルグが頷き、顔をあげたときにはミュンツァーは部屋を出ていった後だった。
ドアを見つめながらゲオルグは不満げに頬を膨らませる。

「納得できませんね。なんですか、あれ?」

「ま、それが管理局員ってもんだ」

肩をすくめ苦笑するヒルベルトはゲオルグをなだめるようにその肩をポンと叩いた。





一方、会議室を出たミュンツァーは足早に通路を歩いていた。
途中ですれ違う乗組員たちに敬礼されても軽く手を挙げるだけで通り過ぎていく。
怪訝そうに見送る彼らを尻目にミュンツァーは艦橋へとつながる扉を開けた。
艦橋には所定の当直要員が静かにそれぞれの任務にあたっていた。
その中をミュンツァーは足音を立てて歩いて行く。
目指す先には一段高くなった大柄な作りつけ椅子があった。
ミュンツァーはそのそばまで来て足を止める。

「艦長、お話があります」

ミュンツァーの声に応えてグライフが目を向ける。

「ミュンツァーか、なんだ?」

「ここではちょっと・・・」

「話せないのか?」

「ええ、少し・・・」

ミュンツァーが語尾を濁すように言うのを聞いたグライフは、
苛立たしげにわずかに顔をゆがめると、近くの士官に二言三言呟いて席を立つ。

「ついて来い」

「はい」

ゆったりとした歩調で歩くグライフは艦橋を出ると、すぐ近くにある艦長室へ入る。
ミュンツァーがグライフの後に続いて入ると、ドアの脇に立っていたグライフが
パネルを操作してドアを閉めた。

「それで、話とは? できれば手短に頼む」

部屋の奥に置かれた大きめの机に軽く腰かけ、グライフはミュンツァーに向かって
声をかける。
ミュンツァーは小さく頷くと、緊張した面持ちで話を始めた。

「2つあります。
 まず1つ目ですが、エメロード捕縛のための突入作戦について、
 作戦案決定の前に偵察を行いたく、ご裁可を頂きに参りました」


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